2025/01/17 玉川学園創立95周年記念特別展 イコンにであう-キリスト教絵画のみかた-
 
●はじめに●
イコンとは、ギリシャ語の「像」を意味する「エイコン(eikon)」に由来する
言葉で、主に東方正教会で崇拝される聖画像を指します。

玉川大学は日本有数のイコン・コレクションを持つことで知られていますが、
特別展では、東方正教会で崇敬の対象となっているイコン108点の所蔵品の
中から55点を展示しています。

●第1章 イエスキリストの生涯●
パントクラトールのキリストは、凛々しいキリスト像で、本と指で何かを
指し示しているようです。キリストの降誕は、2点あって、色々な場面が
描かれている「異時同図法(いじどうずほう)」で描かれており、もう1点は、
しっかと描かれた絵画といった感じでした。

イエス・キリストの神殿奉献は、ロザリオでこのような場面の黙想が
あったなと思いながら見ていました。

12歳のイエスと教師たちは、キリストが12歳でエルサレムに巡礼をした時に、
聖職者に講義をした場面を描いていますが、シンプルな絵画です。

イエス・キリストの洗礼は、綺麗です。ラザロの復活は、人物がたくさん
描かれていますね。マンディリオン(聖顔布・自印聖像)は、シンプルで
分かりやすい感じです。十字架イコンは、神々しくて素晴らしいです。

十字架上のキリストは、なんか聖遺物がイコンに組み込まれていそうな感じが
します。

●第2章 聖母マリヤの姿●
ロシア正教では、聖母マリアのことを「マリヤ」と呼びます。
聖母マリヤの誕生は、細かい描写で凄いです。天使に養育される聖母マリヤは、
シンプルな感じがします。受胎告知は、厳かで神々しくて奇麗です。

薔薇の聖母 3枚折祭壇イコンは、聖母マリヤの色々な場面が描かれていて
どの絵も奇麗です。聖母子像は、ホディギトリアの聖母子をはじめ、4点
ありましたが、どれも奇麗な聖母子像が描かれていますね。
聖母マリヤ 3連イコンは、金か黄土色が奇麗で、聖遺物みたいです。

突然の喜びの聖母は、綺麗で、右下に文字が書かれていますね。
マリヤと男性との対話が吹き出し文字で描かれています。

聖母の居眠りは、聖母マリヤをはじめ、色々な聖人がたくさん描かれていて
神々しくて奇麗です。

●第3章 天使・預言者・福音記者・聖人●
大天使の集まりは、天使がたくさん描かれていて奇麗です。
預言者エリヤの生涯は、一枚の絵に色々な場面が描かれていて、細かくて
綺麗です。預言者エリヤについては、教会にあった絵本を読んでいて、
それを思い出したりしました。

バプテスマのヨハネは、人物と背景が細かく描かれている感じがしました。
バプテスマのヨハネの殉教は、殺される直前と直後が描かれていますね。

福音記者聖ルカは、聖ルカの穏やかな表情が良かったです。
聖ゲオルギウスは、聖ゲオルギウスの勇ましい姿が描かれていますね。

聖ニコラウス高徳の事蹟は、たくさんの場面が事蹟として細かく描かれていて
奇麗です。聖ニコラウスは、これは見たことあるかな。シンプルで奇麗です。

●第4章 教義イコン・祝祭イコン●
祝祭のイコンは、祝祭が細かく描かれていて分かりやすく、東方正教会を
信仰している人々にとって生活と祝祭が密接に結びついているのだなと
思わせました。

聖母マリヤ・キリスト・受洗者ヨハネ 3枚折イコンは、銅の輝きが奇麗です。

最後の審判は、キリストや神様ををはじめ、本当にたくさんの人々や天使、
聖人が描かれていて、圧巻でした。凄いです。この絵画とは違うものですが、
バチカンのシスティーナ礼拝堂にミケランジェロが描いた「最後の審判」を
思い出しました。

●第5章 イコンを描いた日本人-山下りん-●
聖大ワシリイ、神学者グレゴリィ、聖金口イオアンは、写実的な画風で
綺麗です。これは、山下りんの画風が写実的な油絵、油彩によるものですがね。

聖ニコライ、聖インノケンティは、2人とも凛々しい主教といった感じです。
聖インノケンティは、正教会の主教であり聖人(成聖者)のアラスカの
インノケンティだと思いますが。

聖使徒ペートル、聖使徒パウェルは、優しくて力強そうな感じがしました。
聖使徒ペートルは聖ペトロ、聖使徒パウェルは、聖パウロということで。

●総括●
今回は、展覧会を見る前にギャラリートークがあって、解説を聞きながら
展覧会を回りましたので、再度1人で見るために回った時は、色々と
イコンについて深めることができました。信仰に対するイコンや
信仰を高めるためのイコンがあり、このようにイコンを通して東方正教会の
信者の人たちは信仰を高めていったのだなと思いました。また、イコンも
完成度が高く、素晴らしいものが多かったです。このような形で、玉川学園が
収集し、修復も行いながら、展示もしていっていることは、とても良いことで
素晴らしいと思いました。
write:2025/04/08 rewrite:- update:2025/04/22


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