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26.2025年1月17日 イコンにであう ギャラリートーク(はじめに、第1章) | ||
今回の日記ですが、東方正教会で崇敬の対象となっているイコンについての もので、本当はカトリックではないのですが、同じキリスト教ということで、 こちらのコンテンツに載せました。 1月17日は、玉川大学教育博物館で開催された「イコンにであう」の ギャラリートークに行ってきました。そのギャラリートークの内容です。 <はじめに> イコンとは、ギリシャ語の「像」を意味する「エイコン(eikon)」に由来する 言葉で、主に東方正教会で崇敬される聖画像を指します。 玉川大学は日本有数のイコン・コレクションを持つことで知られていますが、 特別展では、東方正教会で崇敬の対象となっているイコン108点の所蔵品の 中から55点を展示していると話されました。 玉川学園は、創立者の小原國芳(おばら・くによし)さんがクリスチャン だったのですが、小原さんがイコンにであったのは1976年、日本橋三越で イコン展が開催されたときで、小原さんが非常に感銘を受け、よき宗教教育の ためにはよき宗教画が必要であると考え、イコンを収集しました。 ロシアやギリシアのイコンが中心となり、国内有数のコレクションを形成する までになったこと、テンペラ画の技法で造られたものが49点あると 話されました。 あと、歴史的背景として、14世紀末から15世紀の初めにかけて起こった 西方教会大分裂やイコノクラスト(聖画像破壊)、ビザンティン帝国に ついても解説され、イコンは、偶像ではないので聖画像破壊は適切ではない とし、聖なる像と信仰者が向き合うためのものとされたことが話されました。 <第1章 イエスキリストの生涯> ●01.パントクラトールのキリスト● 支配者の姿で、全能のキリストを表現しており、奥行き遠近法で描かれ、 座っている椅子は、奥へ描かれている。これは神の視点で見た世界で、 世界の広がりを逆遠近法で描いています。 ●02.キリストの降誕● 晩年に入手したもので、赤い布で洞窟の中にキリストがいる場面、 家畜小屋が描かれ、東方の三博士が贈り物をしたり、キリストの誕生を 天使が告げられた場面、産婆が赤子のキリストを産湯に入れている場面、 悪魔がヨセフに囁いて誘惑している場面など、違う出来事を一枚の絵に描く 異時同図法(いじどうずほう)を使用しており、神の視点でのイコンの 製作の表現の一つということが話されました。 ●05.12歳のイエスと教師たち● キリストが12歳でエルサレムに巡礼をした時に、聖職者に講義をした場面を 描いていることが話されました。 ●06.イエス・キリストの洗礼● キリストが世に出てきたきっかけが洗礼で、洗礼者ヨハネからキリストが 初めて洗礼を受け、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」と 天から聞こえた場面が描かれており、上に描かれたハトは平和の象徴として 描かれていること、これをきっかけに三位一体の奇蹟やキリストが宣教活動が 始まることを表し、この絵画も神の視点から描かれていると話されました。 ●08.マンディリオン(聖顔布・自印聖像)● 布に写ったキリストの像で、エデッサ(トルコのシャンルウルファ)の アブガル王が病気の治癒を願い、キリストを招こうとしたのですが、 十字架にかかる前だったので、願いに応じることができませんでした。 また、王の使者は、キリストの肖像画を描くことも命じられたのですが、 その顔があまりにも光輝いていたので、描くことができず、キリストが 顔を洗い、布を押しあてると、その布に顔が写るという奇蹟が起こり、 使者がその布を持ち帰り、アブガル王がその布に触れるとたちまち病が 治癒したことを話されました。 このような画像を「自印聖像」と言い、キリストが創造した意思を再現した 1600年頃に描かれたもので、原本はエルサレムにあったが失われたことを 話されました。 ●11.十字架イコン● キリストが洗礼を受け、神の子として宣教を行い、エルサレムに入って、 ユダの裏切りに遭って十字架にかけられ、人々の罪をとりなす場面が 描かれていることを話されました。 イコンの形は、ロシア正教会・ウクライナ正教会で頻繁に用いられている 「八端十字架(はったんじゅうじか)」で、上には、「ユダヤの王、ナザレの イエス」という罪状を描かれたものが描かれており、下には、足を釘づけに するためにあるものです。 ロシアでよく作られ、父と子と聖霊の三位一体が表されています。 骸骨はアダムのもので、キリストは復活するという対となる表現だということ を話されました。 第2章、第3章に続く |
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write:2025/04/08 | rewrite:- | update:2025/04/22 |