27.2025年1月17日 イコンにであう ギャラリートーク(第2章、第3章)
今回の日記ですが、東方正教会で崇敬の対象となっているイコンについての
もので、本当はカトリックではないのですが、同じキリスト教ということで、
こちらのコンテンツに載せました。


1月17日は、玉川大学教育博物館で開催された「イコンにであう」の
ギャラリートークに行ってきました。そのギャラリートークの内容です。

<第2章 聖母マリヤの姿>
●16.聖母マリヤの誕生●
ロシア正教では、聖母マリアのことを「マリヤ」と呼びます。
そして、マリヤは母性の象徴として崇敬されており、キリストに次ぐ重要な
人物となっています。

聖母子のイコンが色々な奇蹟を起こして、複製も製作され、今もイコンが
生活に根付いています。その中にマリヤの母のアンナ、産婆がマリヤを産湯に
付けている所、東方の三博士たちをご近所の人に置き換えていることを
話されました。

●21.ホディギトリアの聖母子●
初めて聖母子像を描いたのは、キリストの弟子聖パウロの弟子の福音記者
聖ルカだったと伝えられます。この聖母子像は、ホデゴス聖堂に納められ
ました。

そして、写されて、色々なバリエーションが生まれて、色々な奇蹟を起こして
います。ヨハネが手を斬られた時にマリヤ像に祈ると手が治った伝承が
あることを話されました。

●31.突然の喜びの聖母●
聖母子像を描いたイコンで、イコンがイコンの中に描かれており、対話する
男性は、売春宿通いの罪を犯しており、その罪をやめたいとマリヤに尋ねて
いる場面が描かれており、マリヤと男性との対話が吹き出し文字で描かれて
います。18世紀や19世紀になると分かりやすさが求められ、このような
新しいイコンが描かれるようになったことを話されました。

<第3章 天使・預言者・福音記者・聖人>
●36.バプテスマのヨハネの殉教●
バプテスマのヨハネ(洗礼者ヨハネ)は、ユダヤ王のヘロデ・アンティパスに
捕らえられて牢獄に繋がれますが、ユダヤ王はヨハネを殺すのは怖いと感じて
いました。

そんなある宴で、義理の娘のサロメが王の前で素晴らしい踊りを披露して
その褒美として何が欲しいかを王が聞いた時に、サロメが「ヨハネの首を」
と答え、そのためにヨハネが斬首されます。

このイコンは、斬首される直前のヨハネと切られた首がサロメの手に
渡っている場面が描かれており、その場面を一枚に描かれている異時同図法を
用いていることを話されました。

●41.聖ニコラウス●
全ての人々に色々な施しをした聖人で、サンタ・クロースの元になった人物で、
教会に飾られるための絵画で、オモフォリオン(肩掛け)を付けているのは、
主教を表すもので、主教は、東方正教会での、ある教会の指導者のことです。

左手で聖書を持ち、右手で祝福の手振りをしています。聖ニコラウスは、
主教の地位を剥奪され、牢獄に繋がれますが、キリストと聖母が現れて、
キリストは聖書を、聖母は、主教のシンボルのオモフォリオンを渡しており、
これによって主教の地位を取り戻したことを描いていると話されました。

●44.聖女バルバラとその生涯●
バルバラはキリスト教が禁じられていた3世紀のローマ帝国で、ニコメディア
(トルコ・イズミット)の富裕な家庭に生まれましたが、求婚者たちから
美しい娘を遠ざけようとした非キリスト教徒の父、ディオスコロスによって、
バルバラは塔の中で生活することになりますが、その幽閉生活の中で
キリスト教に出会い、信者になりました。その後、厳しい拷問に耐えながら
信仰に命を捧げた聖女だということを話されました。

バルバラは、疫病や災害に直面した時の守護聖人で、18世紀にコレラ除けの
ために奉納されたものだということを話されました。


第4章、第5章に続く
write:2025/04/08 rewrite:- update:2025/04/22


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