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2025/03/23 エジプト、サッカラ・ネクロポリスの展開を探る
-エジプト、第8次北サッカラ遺跡調査(2024)-
河合望さんの講演です。

昨年8、9月の発掘調査についてお話します。第1の発掘調査はほとんど
やっていません。堆積除去をしており、大変でしたが遺構で出てきました。
サッカラ、メンフィスは第1王朝の王の墓が多くあり、初期王朝時代の
メンフィスがありました。北はマスタバ墓、サッカラは新王国時代の墓、
メンフィスは行政を行う場所でした。

サッカラは、最古のピラミッドの階段ピラミッドがあり、高官のマスタバ墓が
たくさん造られており、初期王朝時代からローマ時代までの墓がたくさん
造られていました。

サッカラは、新王国時代の調査はなかったが、20世紀(特に1920年代から
それ以降)にウナス王のピラミッド近くにツタンカーメン時代の遺物が
発見されています。南側は、旧エジプトサッカラ査察省とイギリス隊が
いました。

セキュリティの問題もあり、警察署に依頼して我々が発掘の時に安全を確保
できるようにしました。そして、第2王朝、第3王朝、第18王朝、
末期王朝時代からコプト時代のミイラやそれぞれの時代の墓がたくさん出土
しました。グレコ・ローマン時代のカタコンベは、天上が不安定で修復を
しています。

カタコンベの南、Operation Bからは、古王国時代の墓が出土しています。
カタコンベの北、Operation Aからは、マスタバ墓が確認されているので、
その範囲を調査したらNSP03墓(第3王朝の墓)が確認されました。

Operation Aからは、初期王朝時代末期から古王国時代初期の日干レンガ製の
マスタバ墓、大型シャフト、新王国時代第18王朝の土壙墓、末期王朝時代
の土壙墓、末期王朝時代からプトレマイオス朝時代の日干レンガ製の墓等が
検出されました。

Operation Aからは、マスタバ墓に入るように掘り下げたら、木棺のあった
墓が発見され、木棺のすぐ北に第18王朝の壺を発見しました。
北の土壙墓(R-086)は、子供の埋葬がありました。

また、第18王朝初期から中期にかけての墓を確認し、年代が初期から中期に
変わってきている第18王朝の墓がありました。

マスタバ墓に巨大なシャフトがあり、掘ったら埋葬室がありました。
時代は第2王朝から第3王朝の墓で西側に埋葬室があります。
現在は柏木裕之さんが調査されています。設計変更で全部クリーニングする
ことができませんでした。あと、第3王朝初期のアバラスター製の壺が発見
されています。このシャフトについては、今後も調査していきます。

Operation Bは、3基の墓を調査し、動物の骨や鳥、牛の骨が発見され、
埋葬者に捧げられたものと思われます。中の調査は次のシーズンになります。

NST06にはシャフトが掘られていて、岩盤を掘って封鎖しています。
次のシーズンで石を取り除きます。

社会的に低い人の墓が斜面に造られていて、第18王朝の土壙墓がありました。
葦のバスケットにくるまった子供の埋葬があり、そばに大人の埋葬が
ありました。第18王朝中期のトトメス3世の頃のもので関係があるのかどうか
調査中です。

カタコンベは、プトレマイオス朝からローマ時代のもので、2019~2023年春に
レーザースキャン、そしてここをクリーニングしました。昨年まで除去を行い、
次のシーズンで床が見えます。未盗掘の側室は、高橋亮介さんに呼んで
もらって紀元前2世紀から紀元1世紀の遺物が出ています。

2023年に第7次調査、2024年に第8次調査を行い、エジプト人、日本人、
スペイン人と調査を行っています。

<時代ごとの墓の種類>
初期王朝時代      第2、3王朝         マスタバ墓
新王国時代       第18王朝初期から中期 土壙墓
グレコ・ローマン時代                  カタコンベ


河合望さんはサッカラでの発掘調査で様々な成果をあげられていますが、
その話を聴けて良かったです。ですが、Operation A、B共にまだまだ今後の
調査が必要なようで、また今後の発掘の成果を楽しみにしています。
write:2026/01/22 rewrite:- update:2026/03/01


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