2025/04/18 古代エジプトの生活 ~早大隊の発掘調査から辿る古代の暮らし
最初にパネルがありました。エジプト文明、早大エジプト調査のあゆみ、
ジェネラルサーベイ(一般調査)、マルカタ南、マルカタ南ローマ住居址、
エジプト調査遺跡地図、古代エジプトの年表、ナイル川についてのパネルが
ありました。ここは、「エジプト文化展」、「古代エジプトの棺と埋葬」と
いった展覧会と連動する所はありますね。

石皿、深鉢・皿は、小麦が乗っていますね。こんな感じでパン作りをしていた
のかなと思いながら見ていました。把手(はしゅ)付壺は、大きくてシンプル
です。ビールとかを入れていた感じですかね。深鉢・皿・碗は、どれも
シンプルで小さいものが多いですが、大きいものはだいぶ割れていますね。

古代エジプト人は、食べていた物として、パン、ビール、マメ、ウシ、トリ、
野生動物、イチジクなどの果物、魚、ブタ、ハーブなどが挙げられていました。
色々な物を食べておられたのだなという思いです。

アンフォラは、割れていてシンプルですね。アンフォラは、ワインを入れて
おく壺で、ツタンカーメン王墓からは26点のアンフォラが納められていたこと、
初期王朝時代からワインは作られていて、最高級のワインはファラオのみが
飲んでいたことが書かれていました。ランプは、プトレマイオス朝以降、
テラコッタ製ランプが使われていたことが書かれていました。

古代エジプト語は、4つの文字が使われていて、ヒエログリフ(聖刻文字)、
ヒエラティック(神官文字)、デモティック(民衆文字)、コプト語が
使われており、ヒエログリフは音価を持つ表音文字で、母音はなく、子音のみ
を表記しており、発音しない決定詞(限定符)もあること、コプト語は、
エジプトのキリスト教徒がギリシア文字をベースにして作ったアルファベット
だということが書かれていました。

レリーフは、薄くなっているが、シンプルで絵が奇麗です。オストラコンは、
陶器の破片に色々な物が描かれて(書かれて)いますね。

ファイアンスは、青くて奇麗です。どんな形にも加工できるものということで。
青色彩文土器は、破片だけど、淡い青色が奇麗です。

青色顔料については、「エジプシャン・ブルー」とも呼ばれ、レシピは、石英、
石灰岩、アルカリ、銅であり、これらを混ぜて焼成すると、鮮やかな青色の
物質(ケイ酸銅カルシウム)となること、新王国時代になると新たな合成顔料
「コバルト・ブルー」が登場し、エジプトの西部砂漠が原産地とされる
ミョウバン(明礬)から得られることが書かれていました。

住まいについては、石材は神殿で、住居では日干しレンガで造られていること、
金属については、青銅製品は、新王国時代からが一般的で、鉄は古くは
隕鉄(硬質隕石)を加工したもので、一般的には、末期王朝時代、
紀元前500年頃からということが書かれていました。
確かに、ツタンカーメン王墓で発見されたツタンカーメンのミイラと共に
埋葬された短剣は隕鉄が使われていますね。

今回の展示は、古代エジプト人の生活に着目した展覧会で、生活には、
このような物が使われていて、またこのように作られるのだなというのが
分かった、地味なテーマですが、なかなか良い展覧会だったと思います。
まさに大学管轄の博物館だからこそできるものかなという思いでした。
古代エジプト人の生活は、なかなか興味深いものがあるなと思いました。
あと、アンフォラやランプやパネルの内容あたりは、「古代エジプトの棺と
埋葬
」と連動している所がありますかね。
write:2025/05/09 rewrite:- update:2025/05/13


Back

Archive