今回の展覧会は、アニメ「チ。―地球の運動について―」の展覧会ですが、
このアニメも展覧会も注目はしていました。アニメは、登場人物の名前は
違っており、フィクションなのですが、天動説が信じられていた時代に
地動説が正しいと唱える人たちと、地動説を異端とする教会との戦いを
描いている所は、実際の歴史をなぞられているアニメではありますね。
最初に、「チ。―地球の運動について―」の映像が流れていました。
「天動説と地動説」のパネルでは、「天動説」は、紀元前2世紀に誕生し、
紀元2世紀にプトレマイオスによって周転円の概念など、精密な仮説に
高められ、1500年間にわたって定説となりますが、天動説では説明できない
誤差が見つかり、それから提唱されたのが「地動説」だということが
書かれていました。
16世紀半ばにコペルニクスが提唱して注目され、後にケプラーが惑星の軌道が
だ円であることを明らかにしたことも書かれていました。
「中世の天体観測技術」のパネルでは、望遠鏡がなかった時代の天体観測
として、ある時点での星の位置や方位、2つの星の間の方位を調べるという
方法が書かれ、観測機として、象限儀[しょうげんぎ](四分儀[しぶんぎ]
とも言います)、アストラ―ベがあることが書かれていました。
あと、光の射す机で火星の軌道を書く、点線をなぞるという体験コーナーが
ありましたが、これはアニメのシーンを再現しているものでしょうか?
それから、アストラ―ベを持って触れる体験コーナーもありました。
アストラ―ベは、金色の円形の測定器ですが、少々重たいかな。
そして、色々な所が回せる、そんな感じでした。
あと、映像で2024年~2025年の火星の軌道について放映していました。
確かに、この時期の火星は一定期間逆行する動きを見せていますね。
この軌道によって地動説が提唱されることになりますがね。
それから、「ルネサンスの三代発明とその影響」のパネルでは、その発明品
として、「活版印刷」、「火薬」、「羅針盤」が挙がっていましたが、
特に「活版印刷」は地動説や聖書をたくさんの人に普及することにより
ローマ・カトリック教会の権威を揺るがせたことが書かれていました。
それと、「活版印刷の様子」や「活字組版」のパネルがありました。
あと、「活字組版」を使っての「活版印刷」のコーナーがあり、
自分のイニシャルを印刷するか、「チ。―地球の運動について―」のキャラ
を印刷するか、どちらかを選べるのですが、僕は「自分のイニシャルの印刷」
を選びました。キャラの印刷は、数分待てばできそうな感じでしたが、
「自分のイニシャルの印刷」は人気があって、45~60分ぐらい並んで
待っていたような気がします。そして、実際にやってみたら文字を組むのが
大変でなかなか上手くできませんでしたが、最後は上手く印刷できました。
良かったです(写真右)。
それから、アニメ「チ。―地球の運動について―」の各話ごとに解説した
パネルがありました。10年後、25年後も含めて。
最後に、「16世紀以降の地動説と宇宙論の発展」というパネルがあり、
コペルニクス、ブラーエ、ガリレオ・ガリレイ、ケプラー、ニュートン、
アインシュタイン、スティーブ・ホーキングについて解説されていました。
あと、「現代の宇宙と人間との関わり」、「天の川銀河紀行」、
「小惑星と隕石」、「日本の宇宙調査」についてのパネルもあり、
隕石の展示もありました。
今回は、アニメ「チ。―地球の運動について―」を中心に、天動説と地動説を
解説した展示で、体験コーナーもあってとても興味深く、面白い展示だったと
思います。特に惑星の反転する軌道は、天動説ではきちんと説明できなくて、
それが地動説を提唱することになった所は、前に「ザ・プロファイラー」
という番組で「ガリレオ・ガリレイ」の時にそこはやっていたなと
思い出しながら見ていました。
体験コーナーも含めて、とても興味深く、面白い展覧会だと思いますので、
アニメ「チ。―地球の運動について―」が好きなかたをはじめ、
天動説や地動説に興味がある方にもおすすめの展覧会です。
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