2024/07/26 古代エジプト3000年の墓地を掘る-エジプト,サッカラ遺跡発掘調査最新報告展-
 
最初に、エジプトの地図と歴史略年表、サッカラ遺跡遠景の写真が展示されて
いました。写真は、ジェセル王の階段ピラミッドも写ってますね。
あと、発掘調査の作業を紹介した写真があり、カタコンベ(地下につくられた
共同墓地)や土壙墓(どこうぼ)の測量や観察記録の写真が展示されて
いました。

サッカラ遺跡の概要として、初期王朝時代から第5王朝、第18王朝、
第3中間期、末期王朝時代を経て、プトレマイオス朝末期から
ローマ支配時代の遺跡まであることが書かれていました。

あと、初期王朝時代の岩窟墓や新王国時代第18王朝の土壙墓について
書かれており、土壙墓(どこうぼ)とは、一般的に穴を掘り、そこに遺体を
埋葬したと考えられています。古王国時代・第6王朝のテティ王のピラミッド
に集中していることが判明していると書かれていました。

あと、金沢大学とエジプト観光考古学省の合同調査により、従来の墓域から
離れた場所で新たに複数の新王国時代の土壙墓が発見されたことが書かれて
おり、第18王朝前半のものと考えられていると書かれていました。

南側に隣接して末期王朝時代からプトレマイオス朝の土壙墓も発見された
ことが書かれていました。それから、紀元前1世紀から紀元後2世紀までの
グレコ・ローマン時代のカタコンベも発見したことが書かれていました。

あと、カタコンベの入り口の実寸大模型やカタコンベ内部の実寸大模型もあり、
埋葬された人形のような物や土器、土器片、ミイラや白骨化した遺体が
再現されていました。あと、メネラオスのステラやデメテリアのステラに
ついての解説もありました。

それから、発掘調査をするための道具や測量をしている所の人形も展示されて
いました。こうやって測量や発掘をしているのだなと思ったり。

あと、北サッカラプロジェクトの発掘現場の映像や3Dデータで見る
サッカラ遺跡のカタコンベの映像が放映されていました。

あと、パピルスが触れるコーナーがあったのですが、パピルスはザラザラ
していました。世界最古の紙パピルスは、紅海のエジプト沿岸に、
「ワディ・エル=ジャラフ」という4000年以上前の古代遺跡から2013年に
発見され、クフ王の治世の頃のパピルスだったことが書かれていました。
あと、パピルスの作り方も紹介されていました。

あと、テラコッタ製作についても書かれており、グレコ・ローマン時代に
イシス女神とアフロディテが習合したものなどがあり、ローマ時代の作風に
近いと思いました。

展示物として、伝ベツレヘム出土のローマンランプがあり、小さいけど
昔のランプといった感じでした。あと、アンハイの死者の書のパピルス、
新王国時代・第20王朝の伝テーベ出土の最後の審判の場面が鮮やかで
奇麗に描かれていました。新王国時代・第19王朝のスネフェルの死者の書の
パピルスも奇麗でした。

最後に、2019年にサッカラ遺跡で初となるグレコ・ローマン時代のカタコンベ
を発見したことや、新型コロナウイルスの問題でしばらくは発掘が
できなかったが、2023年に再開したことが書かれていました。

今回は、金沢大学の教授であり、エジプト考古学者の河合望さんが行ってきた
サッカラ遺跡の発掘調査の最新報告をした展覧会ということで、
河合望さんがサッカラ遺跡の発掘をしている所は、スカパーの
ナショナルジオグラフィックで見たりしていました。

そして、たくさんのカタコンベや土壙墓を発見してきたのだなと思い、
素晴らしい発掘成果だと思いました。パネルが中心の展覧会でしたが、
古代エジプトが好きな方や河合望さんのサッカラ遺跡の発掘に興味がある方は
見に行かれることをおすすめします。


あと、8月22日にX(Twitter)にて、河合望さんが、ポストしていたことですが、
この展覧会の図録のPDF版がダウンロードできるようになりました。

ダウンロードはこちらから

なので、金沢まで来れない方は、図録のPDF版をダウンロードして入手する
のも良いかと思います。ここまでやってくれるのは素晴らしいです。
write:2024/08/05 rewrite:2024/08/27 update:2024/09/04


Back

Archive