| ●第1部 『源氏物語』とその時代● 復元装束による打出(うちいで)の再現展示は、文様かさねの袿(うちき)は、
 後に五枚となったが、11世紀でもはっきりと五枚とは決まっていなかった。
 「栄花物語」では、20枚もの袿を重ねたと書いてありました。復元装束は、
 綺麗でした。
 
 二人の女房による打出の様子は、儀式的な衣服で、目上の人の前では決して
 省略できないことが書かれていました。
 
 平家納経模写は、模写とはいえ、平家納経は初めて見ました。絵や文、巻物が
 綺麗でした。舞楽図は、綺麗でいかにも平安時代の雰囲気がありました。
 復元模造 蒔絵筝は、黒地に模様が奇麗です。
 
 紫式部図は、掛け軸で小さく描かれていますね。紫式部石山寺観月図は、
 寝殿造りの建物から姿が見えているのが優雅な感じがします。
 
 法華経 法師品(久能寺経)は、金の紙に茶色の文字が、漢字がびっしりで
 奇麗です。源氏物語写本「柏木」は、こんな物が残っていたんだと思ったり
 しました。
 
 あと、源氏物語の「桐壺(きりつぼ)」の解説、「帚木(ははきぎ)」、
 「空蝉(うつせみ)」、「夕顔(ゆうがお)」の帚木三帖の解説、
 「橋姫(はしひめ)」、「椎本(しいがもと)」、「総角(あげまき)」、
 「早蕨(さわらび)」、「宿木(やどりぎ)」、「東屋(あずまや)」、
 「浮舟(うきふね)」、「蜻蛉(かげろう)」、「手習(てならい)」、
 「夢浮橋(ゆめのうきはし)」の宇治十帖の解説のパネルや人物系図のパネル
 が展示されていました。
 
 ●第2部 あらすじでたどる『源氏物語』の絵画●
 源氏物語絵巻は、細かい絵と字が優雅な感じです。源氏物語絵詞は、小さくて
 細かくて奇麗です。源氏物語画帖は、本当に高価そうだなと思いました。
 
 源氏物語藤裏葉冊子 表紙絵は、カラフルですが、優雅な感じです。
 源氏物語手鑑は、扇のような形の物に絵が描かれていますね。
 源氏物語絵巻や源氏物語画帖は、墨だけで描かれていて鮮明で奇麗です。
 
 ●第3部 『源氏物語』の名品●
 秋好中宮図や秋好中宮侍女図は、尾形光琳の作ということで。絵が輝いていて
 綺麗です。和漢故事説話図は、色はあるが、シンプルです。
 浮舟螺鈿蒔絵焚殻入は、小さいが、模様が鮮明で奇麗です。
 
 源氏物語図屏風は、大きくて奇麗でした。
 源氏絵扇面蒔絵文庫は、茶色に金で綺麗です。
 初音蒔絵十種香箱は、たくさんの小型の香道具が展示されていました。
 
 源氏絵彩色貝桶は、貝合わせに使う貝を収める箱ということで、
 金色に輝いていますね。あと、中に入っていた貝合わせ用の貝があり、
 絵が細かくて本当に奇麗でした。貝合わせの貝は、学研の学習の付録であった
 武田信玄の本でこんな場面があったなと思い出しながら見ていました。
 
 貝合わせ(かいあわせ)は、平安時代に貴族の間で親しまれた遊びで、
 貝殻の形や色合いの美しさを競う遊び。また、貝殻の内側に絵や和歌を描いて、
 対になる貝を合わせる遊びも貝合わせと呼ばれます。
 
 【貝合わせの遊び方】
 ・貝殻の形や色合いの美しさや珍しさを愛でる
 ・貝殻を題材に歌を詠じて優劣を競う
 ・貝殻の内側に絵や和歌を描いて、対になる貝を合わせる
 
 でしたが、僕は、貝合わせは、「対になる貝を合わせる遊び」だけを想像して
 いましたが、それだけではなかったのですね・
 
 ●第4部 近代における『源氏物語』●
 源氏物語初音図は、墨のみで素朴でした。紫式部は、後ろ姿でシンプルでした。
 住吉詣は、赤と緑が鮮やかで奇麗です。花の宴 源氏ものがたりや、
 垣間見は、綺麗でした。 焔(下絵)は、なんか女性のような感じがしました。
 
 源氏物語礼讃歌や与謝野晶子『新訳源氏物語』は、与謝野晶子は作ったもので
 なんかカルタ箱みたいと思ったりしました。あと、小説家の谷崎潤一郎が
 訳した源氏物語があり、こんな物が残っていたんだと思ったりしました。
 本になってきちんとした形で残っていますね。愛蔵本といった感じで。
 
 ●エピローグ 現代によみがえる『源氏物語』●
 若菜上 女三宮(紅梅の袿と桜の細長)は、ピンクが基調で奇麗です。
 絵合 御前の絵合は、服や布がカラフルです。
 末広がり瓜型八角三段重「藤袴」は、薄い紫色が奇麗です。
 窯変源氏は、色々な描かれ方があって近代の西洋画みたいと思いました。
 瀬戸内寂聴『源氏物語』は、こんな物もあったのですね。
 
 あとは、色々な源氏物語が、小説やマンガ作品、外国語訳のもの、
 色々な邦訳の源氏物語、それから昔の郵便切手にもなっていました。
 
 ●総括●
 今回は、源氏物語をテーマにした展示でしたが、絵やゆかりの品々は、
 どれも素晴らしいくらい奇麗な物が多かったです。
 
 そして、色々な人の訳でしたり、外国語訳のものや与謝野晶子、谷崎潤一郎、
 瀬戸内寂聴といった著名な人物によって訳された源氏物語もあり、驚きました。
 
 源氏物語は、日本では平安時代から現代になるまでの長い間親しまれてきて、
 外国でも外国語訳で出版されて、世界中の人々に読み継がれていって、
 紫式部は、平安時代に古今東西たくさんの人々の心をつかむ本当に素晴らしい
 作品を書かれたのだなと思いました。
 
 そんな源氏物語が偲ばれる展覧会でした。
 
 ●余談●
 今回は、2024年は「うるう年」で、2月29日というその「うるう日」に
 この展覧会を見て、自分の中では、なんかメモリアルな感じがしました。
 
 
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