2024/02/28 大名茶人 織田有楽斎
 
正伝永源院は、元和4(1618)年、織田有楽斎によって再興されたことが
書かれており、織田有楽斎についても書かれていました。

織田有楽斎(うらくさい)こと織田長益(ながます)は、天文16(1547)年に
織田信秀の子(十一男)、織田信長(織田信秀の次男)の弟として生まれ
ました。武将として活躍し、晩年には京都・建仁寺の塔頭「正伝院」を再興、
隠棲します。正伝院は明治時代に「正伝永源院」と寺名を改められます。

織田有楽斎は、茶人・有楽斎として名高い一方、武士・長益としては、
天正10(1582)年に起きた本能寺の変では、長益の主君・信忠(信長の長男)が
自害したにもかかわらず、長益は御所を脱出したことから、京の人々には
「逃げた(男)」と揶揄されたりしました。

さらにその後、信雄(信長の次男)に仕え、小牧・長久手の戦いの時は、
徳川家康と豊臣秀吉の講和を調整するなどしたものの、信雄が改易されると
今度は秀吉の御伽衆に加わります。関ヶ原の戦いでは東軍として参戦し、
戦後も豊臣家に仕えましたが、大坂夏の陣の前には家康の許可を得て主君から
離れています。大坂退去後は京都に隠棲し、茶の湯に専念し、
趣味に生きました。「有楽 如庵(うらく じょあん)」と号したため、
織田有楽斎と呼ばれたりしています。

織田有楽斎坐像は、穏やかな僧侶といったイメージです。本能寺跡出土瓦は、
鬼瓦など形のある物から破片まで様々な物がありました。
織田信長像は、これは本で見たことありますね。わりと有名な織田信長像だと
思います。和歌短冊 濱春月は、シンプルで崩れ字が奇麗でした。
あと、書の掛け軸、茶道に関する物が展示されていました。

唐物文琳茶入れ 銘 玉垣は、小さいですが、緑色が奇麗でした。
鳥図真形窯 銘 澪鳥は、奇麗でした。桜花螺鈿椀は、暗い赤色で模様が
綺麗でした。緑釉四足壺は、黄緑色が奇麗でした。扁額「如庵」は、
シンプルで素朴な感じでした。

旧正伝院書院障壁画のうちの山水図は、水墨画でシンプルで奇麗でした。
水墨画はまさにそんな感じですよね。風俗図は、にぎやかな雰囲気でした。

京都建仁寺正伝院茶室起絵図は、こんな物があったのだと思ったりしました。
したすきの紙があったりしますかね?

如庵(じょあん)は、有楽斎が晩年に過ごした京都建仁寺の塔頭正伝永源院
にある茶室で、間取りや内装、如庵の歩みや歴史が書かれていました。

蓮鷺図襖は、花と葉っぱが奇麗に描かれていて、鳥が良い挿し色になって
いますね。木魚台は、へこんでいるのが良いかも。茶色でシンプルでした。

褐釉四耳茶壺は、大きくて奇麗でした。木瓜唐草文蒔絵湯涌は、模様が
綺麗でした。織田有楽斎像は、穏やかな僧として描かれていますね。
布袋図は、大柄で優しそうなおじさんといった感じで良いですね。
桐紋蒔絵椀類は、美しい茶碗がたくさんありました。

一休宗純墨跡「虚堂和尚普説話」は、字が荒々しい感じですね。
一休宗純の性格を表しているかのような…。と言っても、気性が激しくて
乱暴という意味ではなくて、少々大雑把な性格なのかなと思ったりしてます。
もちろん、僕の勝手な偏見です。

本阿弥光悦書状は、シンプルな崩し字ですが、当時は、東京国立博物館で
「本阿弥光悦の大宇宙」という展覧会が開催されていましたが、そこと
少々連動しますかね。蘭渓道隆墨跡は、字が丁寧です。
有楽斎像は、こっちも本当に優しそうな感じがします。

織田有楽斎は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての人物なので、
そのあたりの歴史に触れていたら、たまに登場する名前で少々地味な感じは
ありますが、歴史の表舞台に地味に登場しては、それでも重要な役割は
果たしてきた「縁の下の力持ち」みたいな人物なのかなという思いです。

そして、織田有楽斎は、穏やかで優しそうな人物として、そんな人柄が
絵画や像に表れているのかなという思いです。そして、織田有楽斎に関する
ことが色々と分かって良かったですし、織田有楽斎を偲ばれる様々な展示物は
シンプルだけど奇麗な物が多かったように思えます。


<本当にどうでもいい余談>
今回の展覧会もですが、なんか日本史関係の展覧会だとよく「釉」という字が
よく出てきましたが、今までこの字は「IME パッド」で出していたのですが、
「釉」の字を調べたら、

音読みは「ユウ」
訓読みは「うわぐすり・つや・ひかり」
意味は、
①うわぐすり。陶磁器の表面にぬって光沢を出す溶液。「釉薬」
②つや。ひかり

と出てきて、「釉」は「うわぐすり」のことだったんだと知りました。
今度からは、日本史の展覧会の日記を書く時は、そのことを頭に置いてから
書こうと思います。
write:2025/03/13 rewrite:- update:2025/03/22


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