Mirlard!(ミルラード!)
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STORY

 

第11話 教皇への使節派遣
「おいっ!!何だよいきなり!!痛い!!引っ張るなって!!」
グリュックの城で泊まっていたロアがいきなり国王の親衛隊にたたき起こされ、
国王メルティフェクス7世の謁見の間に腕をつかまれて連れていかれた。
それもまだパジャマのままで。国王は心配そうに、
「おいおい、何があったんだ?まだパジャマのままではないか。」
「いきなり起こされて連れてこられたんだよ!!まだ着替えてないのに!!」
そこで国王は親衛隊に注意した。
「確かに大至急ロアを呼んだが、何もそこまで急がせる必要はないだろう。
着替えぐらいさせてやれ。」
腕を離されると、不機嫌そうにあくびをしながら部屋に帰っていった。

そして着替えて、また謁見の間に現れた。
「国王様、私に何か御用でしょうか?」
「うむ。そなたに、教皇領に行ってもらいたい。」
「教皇領ですか?教皇に会いに行ってくるとかですか?」
「そうだ。ここに私と父が書いた手紙がある。これを教皇様に渡してきて
もらいたいんだ。」
ロアは、国王から、国王自らが書いた手紙と前国王ニーズロット6世が
書いた手紙の2通を渡された。
「その時にコンサルヴィ枢機卿とあと護衛としてラインハルト家の者も
行くから、一緒に行ってくれないか。」
コンサルヴィ枢機卿は、グリュック大司教区の大司教で、枢機卿、教皇に次ぐ
地位にいる人物で、国王メルティフェクス7世の相談役の一人である。
「ラインハルト家ということは、ベルナルドさんやフォルミルスも来るので
しょうか?」
「そうだ。彼らも一緒だ。コンサルヴィ枢機卿の護衛をしないといけない
のでな。優秀な剣士や戦士を抱えているあの家にお願いすることにした。」
「分かりました。この手紙しかと届けてまいります。」
「うむ、頼んだぞ。」
そして、ロアは、コンサルヴィ枢機卿とベルナルドさんとフォルミルス、
レオン、ローラン、フィム、ペティオスといったいつものメンバーで
教皇領に向かうことになった。ロアたちは、船に乗り、10日かけて
教皇領に着いた。

教皇領に着いたロアたちの一行を見て教皇領の人たちは口々に噂しあった。
そして、この一行を見に来る者たちも少ないながらもいた。
そんな時、いきなりならず者たちの集団が現れていく手をふさいだ。
このならず者たちはかなり剣の腕が立つ集団で教皇領を拠点に大暴れしていた。
そして、ロアたちのような国の一行を襲ってはお金を巻き上げていた。
「おうおう、これはずいぶんと高貴な御一行様じゃねぇか。誰の許可を得て
ここを歩いてるんだ?ちょっくら通行料をもらわないとな。
ま、これだけの一行だ。たくさんもらわないとな。」
そこでロアたちが前に出ていった。
「我々は教皇様に会いに行くための者だ。邪魔をするなら容赦しないぞ。」
「おもしれえ!!俺たちとやるってのか?俺たちは国王の一行を潰しては
金を取っているんだ!!俺たちに逆らうと痛い目見るぞ!!」
そこでレオンが、
「おもしれえのはこっちの方だ!!俺たちを襲うとは身の程知らずだな!!
なあ、ロア。」
「ああ、そうだな。一つ暴れてやろうか。」
「なんでえ、子供じゃねえか。大人の世界に入ったら痛い目見るぜ。
これは見た所、お坊ちゃんたちじゃないのか。誘拐して身代金を取るのも
悪くないな。がははははははははははははは。」
そこでフォルミルスは剣を抜いて
「ラインハルト家の人間を舐めてもらっては困るな。みんな精鋭ぞろいだよ。」
「ほざくな!!ええい者ども!!たたんでしまえ!!」
こうして、ならず者たちとの決闘が始まった。最初に切りかかったのは
フォルミルスだった。フォルミルスも勇敢に戦うがそれをレオンが護衛する
形で戦っていた。そして、ロアも剣を抜いて大暴れしていた。
フィムは炎系の魔法で、ローランはボウガンを持って戦った。
ペティオスは、バードロッドを使って打撃で、時には石化光線で戦った。
さらに護衛をしていたラインハルト家の剣士、戦士たちも飛び出して戦い、
通りは大混戦となった。そうして、ロアたちはならず者たちを倒していき、
3分の1ぐらいになった所で、ローランに話しかけた。
「そろそろ警察に連絡してくれないか。」
「分かったよ。」
そうしてローランは、通りを抜けて警察に連絡しに行き、しばらくして、
通りに警察が駆けつけ、ならず者たちは全員逮捕された。
それからロアたちは、宿屋について、そこで一晩過ごした。

翌朝、ロア、ベルナルド、レオン、フォルミルスは、コンサルヴィ枢機卿と
ともに教皇庁に行った。そこでアレッサンドロ枢機卿の導きで
教皇インノケンティウス15世に謁見した。
「昨日は、あのならず者たちと戦ったそうだな。いやあ、我々もあの連中には
手を焼いていて困っていた所だ。逮捕に協力してくれて、そして
コンサルヴィ枢機卿を守ってくれたことに感謝するよ。」
「いえいえ、あれぐらいは喧嘩ですので。」
「そうか、喧嘩か。これはこれは。」
そこでレオンは答える。
「あれぐらい日常茶飯事だよな。」
「そうなのか。日常茶飯事なのか。さすが剣士だな。ベルナルド、そなたは
良い剣士や戦士を育てているのだな。」
「はい、このレオンは、こちらのフォルミルスの警護のために養子に
したものです。昨日の戦いもよくフォルミルスを守りながら戦ってくれた
ものだよ。」
「おお、それは頼もしいものだ。」
教皇は、その強さに感心しきりだった。
「教皇様、この度はわが国王メルティフェクス7世と前国王ニーズロット6世
からの手紙をお持ちしました。是非、お目を通していただきたく思います。」
「うむ、ご苦労であった。」
そうして、教皇は、2人の手紙に目を通した。そこには、教皇庁に支援を
すること、マグニス教とプロテクス教との融和を図っていくこと、
今度の支援と貿易へのお願いが書かれていた。それを読んで教皇は、
「うむ、分かった。これからもミルラードとは良き交流をしていきたいと思う。
私からもまた返書を書くことにしよう。」
「ありがとうございます。」
コンサルヴィ枢機卿もまた、
「これからもわが国、ミルラードをよろしくお願いします。」
「うむ、分かった。」
さらに、教皇は話を続ける。
「ところで、そなたたちの強さを見込んで頼みがある。」
「はい、何でしょうか。」
「ヴェルサージュ王国に行ってもらえないだろうか。そして、国王
ベルナール9世と宰相のマザラン枢機卿に手紙を渡してきてもらえない
だろうか。」
「はい、分かりました。必ずお渡しいたします。」
「気をつけて行って来てくれ。あの国は、マグニス教とプロテクス教との
争いが絶えない国でな、何とか融和を図ってくれるよう願っている。
そのために行ってきてくれ。」
そうして、ベルナルドとフォルミルスは教皇領に残り、ロアたちは
ヴェルサージュ王国に行くことになった。

ヴェルサージュ王国は、教皇領から一晩かけて行ける距離にある島国で
華やかな文化の栄える場所であった。だが、マグニス教とプロテクス教との
争いが絶えない国で常に一触即発の状態であった。
そして、ロアたちは、首都ボルドールに到着し、ヴェルサージュ国王、
ベルナール9世に謁見し、国王と宰相のマザラン枢機卿に教皇の手紙を渡した。
教皇の手紙には、マグニス教とプロテクス教と融和を図るよう、国王と宰相が
手を携えて行うようにという指示が書かれていた。
これに対し、ベルナール9世は、
「うむ、よく分かった。マグニス教とプロテクス教と融和を図るよう、
これからも努力していこうと思う。今、マグニス教の信者である私の妹の
カトリーヌとプロテクス教の首領であるコリニー総督との婚宴を企画している
所だ。これが叶えば、少しは融和が図れるだろう。このように教皇に
伝えてくれ。」
「はい、分かりました。」
こうして謁見が終了するとロアたちは、ボルドールの町の宿屋で
泊まることにした。

翌日、あたりが騒がしかったので、ロアは眠い目をこすりながら窓を開けて
見てみると、ロアは思わず目を疑った。町の至る所で殺し合いが行われ、
あたり一面血の海に変わっていた。
「な、何だこれは…。」
ロアは思わずたじろいだ。そして、急いで着替えてフィムやレオン、
ローランとペティオスと廊下で集まった。何事かと話し合っていたら
国王の侍従がロアたちの元に急いでやって来て、ことの次第を伝えた。
「どうかお逃げください!!マグニス教の信者たちがプロテクス教の信者を
虐殺しているようです!!どうやらマザラン枢機卿が仕掛けたようで、
最初はコリニー総督やプロテクス教の信者の貴族たちを殺すために
刺客を放ったようですが、それが市民にも波及して、もう軍隊や警察だけでは
止められない状況になっています!!」
「なんだって!!」
ボルドールの町は恐ろしい地獄絵図と化していた。コリニー総督は、
寝ている所を襲われ、腹を刺されてまだ息があるうちに2階の窓から
突き落とされ、町中を引きずり回された。そして、他のプロテクス教の信者の
貴族たちも剣やナイフで刺され、内臓を引きずり出されたり、
窓から突き落とされたりした。それが市民にも波及し、マグニス教の
信者たちがプロテクス教の信者をめった刺しにしたり、手足を切断して
町中を引きずり回したり、さらには内臓を引きずり出されたり、
赤子は川にたくさん投げ捨てられたりした。そして、川は地で赤く染まって
いた。この状況を知ったレオンは、
「これは止めないといけないのではないか?」
「いや、これはもうどうしようもない。逃げるしかないよ。教皇領まで
逃げよう。」
そうフィムは諭した。
「そうだな、みんな、逃げよう。」
そうして、ロアたちはボルドールの町から逃げたのだが、街を出ようとした
瞬間、マグニス教の信者たちに襲われた。
「まだいたぞ!!そこだーーー!!」
「いやまて、俺たちはマグニスだ!!」
「問答無用!!かかれーーーーー!!」
レオンは、ロアに尋ねた。
「やれやれだ。どうする??」
「市民は殺したくなかったが、仕方ない、やるか。」
そうしてロアたちは、市民と戦った。何人も何人も切り倒すが、多勢に無勢。
きりがなかった。
「だめだ、こんなのきりがない…。」
そう思いながら戦い続け、みんな傷ついていた。
「このままではみんなやられる…。」
そう思ったフィムは、周りに爆発の魔法を何発も放った。時には市民を
吹き飛ばしながら、連発で魔法を放った。そうして、あたりは煙に包まれ、
市民はようやくひるんで手を止めてしまった。
「今だ!!逃げるぞ!!」
こうして、フィムの魔法と、ペティオスの石化光線のおかげでなんとか
ロアたちは教皇領に逃げ帰ることができた。

ロアたちが教皇領に逃げ帰った日は、宿屋で傷の手当てをしていた。
そして翌日、教皇に再び謁見をした。
「ご苦労だった。本当にすまないな。大変なことに巻き込んでしまって。」
こう言って労をねぎらい、傷が癒えたら国へ帰るように言った。
その時だった、教皇の侍従が急いでやって来て教皇に報告をした。
「教皇様、大変です!!マザラン枢機卿がヴェルサージュのアヴィルゴーニュ
の町を占領し、自分こそが本物の教皇だと言っています!!そして
アヴィルゴーニュも教皇領として、各国に支援を要請しているようです!!」
「何だと!!」
「しかも、自らは、教皇エウゲニウス13世と名乗っています!!」
「エ、エウゲニウス13世だと…な、なんということだ…私の代で対立教皇が
出てしまうとは…。」
全ては、マザラン枢機卿の思惑通りだった。マザラン枢機卿は、
ヴェルサージュ王国で虐殺の騒ぎを起こし、その混乱に乗じて、西にある
自分の領土に近い港町アヴィルゴーニュを占領し、そこと元の領土を自分の
教皇領とし、アヴィルゴーニュの町に自分の教皇庁をつくり、そして自らは、
教皇エウゲニウス13世と名乗り、教皇インノケンティウス15世を攻撃する
文章を各国に出し自分を支援するよう要請していた。対立教皇の誕生である。
「教皇様、このままではマグニス教が分裂してしまいます。対立教皇を
倒しましょう!!私たちも戦います!!」
ロアはこのように教皇に戦うことを進言した。
これに対し、教皇インノケンティウス15世は戸惑いながらも、すぐに
次の手を打とうとした。
「分かった。すぐにアレッサンドロ枢機卿を呼んでくるんだ!!」
そして、教皇は、アレッサンドロ枢機卿を交え、ロアたちと作戦会議を
始めた。また、対立教皇エウゲニウス13世が占領したのは、
ヴェルサージュ王国なのでそこの国王ベルナール9世と密に連絡を
取ることにした。また連絡には、対立教皇に気付かれないよう密かに
エージェントを送り込んでいた。また、対立教皇エウゲニウス13世を
油断させるため、アヴィルゴーニュの町にも密かにエージェントを送り込み、
教皇インノケンティウス15世と国王ベルナール9世はしばらくの間
行動を起こせないという噂を流させた。これでエウゲニウス13世は油断し、
自分の教皇領の経営に専念した。

それから15日後、教皇インノケンティウス15世はついに動き出した。
10隻の貿易船に軍隊を乗せ、アヴィルゴーニュへ向かった。そしてそれに
ロアたちやベルナルドをはじめとするラインハルト家の戦士、剣士たちも
乗っていた。さらに同じ時、ヴェルサージュ国王、ベルナール9世は、
北西の町へ視察に向かうと見せかけてアヴィルゴーニュへと軍を進めて
いた。さらに軍隊は4つに別れて密かに進んでいた。
翌日、アヴィルゴーニュの町はベルナール9世の軍で包囲されていた。
さらに教皇軍を乗せた貿易船も到着し、軍隊は一気に上陸した。
そこで狼煙が上げられ、それが総攻撃の合図となった。
対立教皇の兵士たちは、教皇軍・国王軍の敵ではなく、あっさりと
突破し、対立教皇のもとへたどり着いた。
「そこまでだ、マザラン!!観念するんだ!!」
最初にベルナール9世が叫んだ。そこでエウゲニウス13世は、
「くそっ!!お前ら、教皇に対してこんなことして良いと思っているのか!!
お前ら全員破門にするぞ!!」
そこでレオンが言う。
「対立教皇に破門されても痛くも痒くもないけどな。」
「だったら国王を殺してこの国を占領するまでだ。そうすれば私こそ
真の教皇だ!!」
そして、エウゲニウス13世は、ナイフを持って、ベルナール9世に
切りかかった。だが、レオンに足を掛けられ、転んでしまった。
「往生際が悪いな。観念しろよ。」
「何だと!!この無礼者!!教皇に対して無礼だぞ!!」
フィムは対立教皇に麻痺の魔法をかけ、体が動かないようにした。
「黙れ、対立教皇。」
こうして、対立教皇エウゲニウス13世は、逮捕され、教皇の元へ連行された。
アヴィルゴーニュの町は、そのまま、ベルナール9世が統治することになった。

それから、教皇軍は、教皇領に戻り、ロアたちは教皇に謁見することになった。
そこには、ベルナール9世も同席していた。
「そなたたちには本当に感謝する。よくやってくれた。」
教皇はそのようにロアたちの労をねぎらった。
「私からも礼を言う、本当にありがとう。」
ベルナール9世も感謝の言葉を述べた。それから、教皇に、
「私の国は今回のことで、宗教的な対立がますますひどくなりました。
ですが、もう一度、立て直して、対立のない国にしていこうと思います。」
「うむ、頼んだぞ。是非とも、良き国になるようにしてくれ。」
「はい。」
こうして、教皇から、ミルラード王国へ多額の謝礼金を払い、ロアたちは
教皇領を後にした。その謝礼金は、後にロア、フィム、ローラン、ペティオス
や、ベルナルド、フォルミルス、レオンをはじめとするラインハルト家の
軍隊にも支払われた。
write:2017/07/18 rewrite:− update:2017/07/22