2021/09/25 みろく-終わりの彼方 弥勒の世界-
今回は、弥勒菩薩が中心の展覧会でした。映像では、ローマではミスラ神、
それがイランのあたりに伝わってササン朝ペルシャのアルダシール2世の
叙任碑にミスラ神が刻まれ、アフガニスタンのあたりでは、カニシュカ王の
硬貨に弥勒菩薩が刻まれ、ミスラ神と弥勒菩薩が重なると解説していました。
弥勒菩薩は、釈迦入滅から56億7000万年後の未来の世に仏となってこの世に
くだり、衆生を救済するということも解説していました。
あと、天翔ける太陽神では、ギリシアのミスラ神があり、ゾロアスター教の
神官が描かれていたり、異なる宗教の融和とも解説していました。

パキスタンの弥勒菩薩像ですが、まさにインドの様式といった感じで日本の
ものとは違いますね。カニシュカ1世の硬貨は、小さく釈迦や弥勒菩薩、
太陽神ミイロが描かれていました。仏陀坐像は、日本の様式とインドの様式の
中間といった感じでしたね。戦争による太陽神を表した柱頭は、細かくて
綺麗でした。特に太陽神が彫られている所は。バラモン形菩薩の頭部は、
表情や頭の飾りがインドの様式ですね。

バーミヤン東大仏仏像模型やバーミヤンE窟仏龕模型は、シンプルだけど
凄かったです。東大仏仏像は、頭に何か乗っていましたね。仏様??
天井壁画の青の弥勒ですが、綺麗で不思議な感じがしました。素晴らしいです。
これらのものが、過激派組織のタリバンによって破壊されてしまいましたが、
本当に残念というか、何てことしてくれたんだお前らは、という感じです。

敦煌莫高窟第275窟の弥勒菩薩ですが、穏やかな表情ですね。なんか本当に
全ての人を救いそうな感じです。横にいたのは狛犬ですかね??可愛いです。
敦煌莫高窟第57窟ですが、本尊は穏やかな表情で厳かな感じですね。
壁一面に仏様が描かれていて凄かったです。

日本になると見慣れた仏像といった感じですね。室生寺木造弥勒菩薩立像は、
不思議な表情で綺麗です。東大寺中性院弥勒菩薩立像は、金で輝いていて
綺麗でした。なんか見た目は前に見た聖林寺十一面観音みたいと思いました。
弥勒来迎図は、こんな感じで弥勒菩薩がこの世に顕れそうな感じですね。
法相曼荼羅図は、色々な菩薩や僧侶が載っていて素晴らしかったです。

弥勒菩薩像ですが、様々な形で表現されていてパキスタンやアフガニスタン、
敦煌や雲崗の弥勒と日本の弥勒ではだいぶ表現が違うと思いました。
また、ローマのミスラ神がインドでは弥勒菩薩として伝わって、日本に
伝わるというのも興味深かったです。あと、バーミヤン石窟については、
悲しいですし、やはり自分が信じるものだけを肯定して他を否定すると
いうのはいけないのだな、他も尊重しないといけないのだなとも
思わされました。今回の展覧会は、色々と興味深かったです。
write:2021/09/25 rewrite:- update:2021/10/02


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