15.タイ旅行 その2
タイ旅行のレポートの続きです。
今回は首都バンコクの観光地についてのレポートです。


●暁の寺院●
バンコクにある寺院で、正式名は「ワット・アルンラーチャワラーラーム」。
アルンは暁の意味である。創建についての記録は見つかっていないが、
アユタヤ朝のペートラーチャー王(在位:1688~1703年)時代には
既に建てられていたことが分かっている。
1767年のアユタヤ朝滅亡後、この地を掌握したタークシン王
(在位:1767~1782年)により修復された。
この寺院で最も特徴的なトウモロコシのような形をした大仏塔は
バンコク様式で、高さは75m、台座の周囲は234m(異説あり)。
塔の表面は陶器の破片で飾られている。
このような陶器を用いた建築の装飾は中国美術の影響によるもので、
ラーマ3世(在位:1824~1851年)時代に多く用いられたものである。
塔は19世紀、ラーマ2世(在位:1809~1824年)のころから建設が
はじまり、ラーマ3世のとき完成し、現在みられる姿となった。

「暁の寺院」の名の通り、朝焼け、または夕焼けの時に見ると特に綺麗だと
言われており、その時に見られず残念だったが、普通に午前中に見ても
下からの景色、塔に登ってからの景色共に壮大で素晴らしいと思った。
塔に登る時だが、階段の角度が急なため登るのが少々困難だった。

●王宮●
1782年にラーマ1世(在位:1782~1809年)が即位後、
チャオプラヤ川の西側にある、アユタヤ陥落後15年間タークシン王の都で
あったトンブリは、王都として相応しくないと考え、
対岸の東側のバンコクへ遷都。
その時に建設され、国王の宮殿、即位式の建物などのほか、
宮内庁や官庁などの建物が四方を長さ1900メートルの壁に囲まれた
面積218000平方メートルの敷地内に建てられている。

●エメラルド寺院●
王宮近くに連結されている王室守護寺院である。本堂に安置されている
エメラルド仏は、タイ国の本尊仏として最も崇められている。
エメラルド仏は、ブッサホクと言われる金箔で覆われた木彫りの
タイ様式の須弥壇(仏教寺院において本尊を安置するために一段高く
設けられた場所)に置かれ、暑季(3~5月)、雨季(6~10月)、
寒季(11~2月)のいずれかの衣を纏い、年3回国王自らの手で
衣替えがなされる。
本堂の内部は、見事な壁画で装飾されており、エメラルド仏の正面、
東側入口の上段の壁には、仏陀が悟りを開かれる寸前の場面が描かれている。
南側の壁には、「仏陀の一生」の誕生、出家などの場面、
北側には説法、入滅などの場面、窓の間の壁面には「仏陀の前世」からの
場面が描かれている。エメラルド仏の背後、西側の壁には仏教の
宇宙観が描かれている。

カンボジアやミャンマー(ビルマ)、インドなどの周辺諸国の様式を
取り入れながら金箔やエメラルドなどの宝石を使った王宮や寺院は、
壮大で素晴らしいと思い、タイ王室の権力の絶大さを感じることができた。

●ワットポー●
バンコクで最大の最も古くからある寺院で、正式名は「ワット・プラチェートゥ
ポンウィモンマンカラーラーム=ラーチャウォーラマハーウィハーン」
(「菩提の寺」の意味)。 敷地面積は50ライ(約80,000m2)の面積を有する。
寺院の構造は二つに分かれており、本堂や図書室などを中心とする北部分と
南に小道をはさんで南部分には庫裏があるが、一般公開されているのは
北側の部分のみである。
ワットポー内にある、全長46メートル、高さ15メートルの涅槃仏が有名で、
仏教に熱心なラーマ3世による命で制作が始まった。
全身が金箔で覆われており、眼と足の裏には真珠貝の内面が使われている。
足の裏にはインドと中国とタイの混合様式で仏教に関することが描かれている。
また、殿堂には108つの鉢があり、その中にタイの通貨の1つである
サタン硬貨を入れることで煩悩を一つずつ捨てるという行為が、
仏教徒に限らず、一般の観光客にも広く行われている。

やはり涅槃仏が本当に壮大で素晴らしいと思った。金箔を使い、
これだけの大きな仏像を建立したタイの人々の仏教に対する熱心さが
伝わってくるようだった。また、108つの鉢については、日本の除夜の鐘を
彷彿とさせる所があり、その点は、日本の文化との共通性を感じた。
write:2007/11/11 rewrite:2013/06/10 update:開設日


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