24.ヨハネ(ヨハネス)を名乗ったローマ教皇について
ローマ教皇歴代誌を読んでいて目に付いた言葉でしたが、それは、
ヨハネ23世(ヨハネス23世)が言ったジョークなのですが、「ヨハネは
歴代ローマ教皇の中でいちばん多い名だ。短い在位に終わった人がほとんど
だが」という言葉です。それを見た時、僕は「いや、ヨハネを名乗った教皇
でも在位10年以上の人もいるし、そんなことないんじゃないの?」と思って
いました。そして、それについて統計データを出してみました。

そしてその結果ですが、全教皇の在位の平均は、7年2ヶ月8日で、ヨハネを
名乗った教皇では、5年9ヶ月7日と2年ぐらい短かったです。そして、
ヨハネを名乗った教皇の在位ですが、

・10年以上 21人中5人
・5年以上10年未満 21人中4人
・5年未満 21人中12人

という結果になりました。この結果について、ヨハネ23世に対しては、
「参りました。」という感じです。確かに、ヨハネを名乗った教皇は、在位が
短い人が多いですね。そしてヨハネ23世も在位4年7ヶ月6日ともれなく
在位が短かったです。それでもヨハネ23世の場合、社会回勅を2つ出したり、
第二ヴァチカン公会議を開催したりと結構濃密な在位でしたがね。

ローマ教皇事典には、ヨハネ23世は、教会史の専門家ということで、教皇に
選任された時は、「ヨハネ23世」を名乗りましたが、15世紀初めに(教会の
大分裂時代でローマ教皇が同時に3人いた時期です)同じく「ヨハネ23世」を
名乗った対立教皇が出ておりその合法性が議論されていましたが、それでも
確信を持って「23世」を宣言したこともあり、そのあたり、流石ですと、
脱帽してしまう限りです。

●補足●
「21人中」と書きましたが、ヨハネを名乗った教皇は23世までいますが、
何人という言い方をしたら21人です。それは、ヨハネ16世は対立教皇なのに
なぜか数えられているためです。あと、ヨハネ20世は不在です。これは、
ヨハネ15世の時からの数え間違いによるものです。

あと、統計データですが、こちらですが、自分で作って、自分のホームページ
で公開している統計データです。ま、よくこんな暇なことを作ったものだなと
笑ってやってください。
こちら
write:2023/11/22 rewrite:- update:2023/12/04


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