50．アヌビス山のネクロポリスで発見された未知のファラオの王墓
●日本語訳● エジプトとアメリカの共同考古学ミッションは、アヌビス山のネクロポリスで 第２中間期(紀元前1700年から1550年)の王家の墓を発見しました。 「アヌビスの山」は、エジプトの中央州ソハグにあるアビドスの砂漠の崖に ピラミッド型の山頂を持つ神聖な山です。 この山頂は、紀元前1878年から紀元前1839年まで中王国第12王朝に統治した センウセレト３世の遺体安置所の概念的なアンカーを形成しました。 このピークは、第２中間期に中期エジプトと上エジプトの一部を支配した 短命の地方王朝である仮説のアビドス王朝の埋葬墓地遺跡でもありました。 観光考古省が発行した最近の報道発表によると、ネクロポリス内の発掘調査 では、泥レンガの丸天井で覆われた石灰岩の埋葬室からなる未知のファラオの 王墓が発見されました。 高さ５メートルの墓は深さ７メートルにあり、入り口の両側には古代エジプト の宗教の女神であるイシスとネフティスに言及する碑文があります。 墓の中には黄色い碑文の帯があり、かつて象形文字で所有者の名前が 付けられていた可能性がありますが、それらは大幅に劣化しており、 いくつかのモチーフとテキストしか生き残っていません。 ペンシルベニア大学の考古学ミッションの責任者であるジョセフ・ワグナー 博士は、墓の建築と装飾のスタイルは、2014年にワグナー博士がアビドス南部 で発見した第２中間期のヴォセリブレ・セネブカイの墓と非常に似ていると 指摘しました。 考古最高評議会の事務局長であるモハメド・イスマイル・ハレド博士は、 「この墓は、この地域における王室の埋葬慣行の新たな証拠を提供し、 その時代の複雑な政治情勢をより深く理解することを可能にします」と 述べました。 ●英語の本文● Royal tomb of unknown pharaoh discovered in Mount Anubis necropolis A joint Egyptian-American archaeological mission has discovered a royal tomb from the Second Intermediate Period (1700 to 1550 BC) in the Mount Anubis necropolis. The “Mountain-of-Anubis” is a sacred mountain with a pyramidal peak in the desert cliffs of Abydos, located in Egypt’s central province of Sohag. The peak formed the conceptual anchor of Senwosret III’s mortuary complex, who ruled from 1878 BC to 1839 BC during the Twelfth Dynasty of the Middle Kingdom. The peak was also the chosen burial necropolis of the hypothesised Abydos Dynasty, a short-lived local dynasty ruling over parts of Middle and Upper Egypt during the Second Intermediate Period. According to a recent press statement issued by the Ministry of Tourism and Antiquities, excavations within the necropolis have discovered a royal tomb of an unknown pharaoh, consisting of a limestone burial chamber covered with mudbrick vaults. Measuring five metres in height, the tomb is located at a depth of 7 metres and has inscriptions on both sides of the entrance that mention Isis and Nephthys, both goddesses in ancient Egyptian religion. Inside the tomb are yellow inscription bands that likely once bore the owner’s name in hieroglyphics, though they have suffered significant deterioration with only a few motifs and texts surviving. Dr. Joseph Wagner, head of the archaeological mission from the University of Pennsylvania, noted that the tomb’s architectural and decorative style closely resembles that of Woseribre Senebkay’s tomb from the Second Intermediate Period, also discovered by Dr. Wagner in 2014 in southern Abydos. Dr. Mohamed Ismail Khaled, Secretary-General of the Supreme Council of Antiquities, said: “This tomb provides fresh evidence of royal burial practices in the region and offers a deeper understanding of the complex political landscape of that era.” ●河合望さんのリポストのコメント● このニュース記事は、エジプト考古学者の河合望さんがX(Twitter)でリポスト されていましたが、その時に、こうコメントされていました。 隊長のペンシルバニア大学のジョセフ・ウェグナー教授によると、第２中間期 の「アビドス王朝」の王墓と推定されるとのこと。同調査隊は2021年に付近で 同王朝のセネブカイ王の墓を発見しました。今回発見された王墓へ構造が 類似しているとのことです。なお、王の名前は不明。 ●ニュース記事の感想● それにしても、今年でもう２基も王墓が発見されているって凄いです。 「アビドス王朝」って聞いたことないのですが、YOUTUBEや他のニュース記事 を見ていましたら、あの当時にありました第15王朝、第16王朝、第17王朝とは また別の王朝のようですね。また調べておきたいものです。そして、 「アビドス王朝」も、また今後の発掘や研究で解明されることを期待して います。 Royal tomb of unknown pharaoh discovered in Mount Anubis necropolis こちら
write：2025/03/17	rewrite：2025/03/18	update：2025/03/31

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