104.大関の口上
昇進伝達式は、大相撲の番付編成会議で新横綱、新大関が誕生した場合に、
使者が当該力士のもと(基本的に相撲部屋)へ赴いてその旨を伝える儀式
なのですが、式では使者が昇進決定の口上を言い、現在では力士が
「謹んでお受けいたします」と返答しその上で決意表明の口上を述べる、
という流れになっています。今回は、平成以降の大関の口上をまとめて
みました。

●大関の口上●
霧島「謹んでお受けします。稽古に精進し、大関の名を汚さぬよう、一生懸命
頑張ります」
曙「謹んでお受けします。大関の名を汚さぬよう、稽古に精進します」
貴ノ花「謹んでお受けします。今後も不撓不屈の精神で相撲道に精進します」
若ノ花「謹んでお受けします。今後も一意専心の気持ちを忘れず、相撲道に
精進いたします」
貴ノ浪「今後は、相撲道に勇往邁進する所存です」
武蔵丸「日本の心を持って、相撲道に精進いたします」
千代大海「謹んでお受けします。大関の名を汚さぬよう、相撲道に精進、
努力いたします」
出島「謹んでお受けいたします。力のもののふを目指し、精進、努力します」
武双山「謹んでお受けいたします。大関として常に正々堂々、相撲道に徹します」
雅山「大関の名を汚さぬよう、初心を忘れず相撲道に精進、努力します」
魁皇「謹んでお受けいたします。大関の地位をけがさぬよう、稽古に精進します」
栃東「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう、稽古に励み、
努力精進いたします」
朝青龍「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう、一生懸命頑張ります」
琴欧州「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬように、稽古に精進します」
白鵬「謹んでお受けいたします。大関の地位を汚さぬよう、全身全霊をかけて
努力します」
琴光喜「謹んでお受けいたします。いかなる時も力戦奮闘し、相撲道に
精進いたします」
日馬富士「謹んでお受けいたします。今後も全身全霊で相撲道に精進します」
把瑠都「謹んでお受けいたします。稽古に精進し、栄誉ある地位を
汚さぬよう努力いたします」
琴奨菊「謹んでお受けいたします。大関の地位を汚さぬよう、万里一空の
境地を求めて日々努力精進します」
稀勢の里「謹んでお受けいたします。大関の名を汚さぬよう、精進します」
鶴竜「謹んでお受けします。これからも稽古に精進し、お客様に喜んで
もらえるような相撲が取れるよう努力します」
豪栄道「謹んでお受けいたします。これからも大和魂を貫いてまいります」
照ノ富士「謹んでお受けいたします。今後も心技体の充実に努め、さらに上を
目指して精進いたします」
高安「謹んでお受けします。大関の名に恥じぬよう、正々堂々精進します」
栃ノ心「謹んでお受けいたします。親方の教えを守り、力士の手本と
なるように稽古に精進します」
貴景勝「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう、武士道精神を
重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進してまいります」
朝乃山「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう、相撲を愛し、
力士として正義をまっとうし、一生懸命頑張ります」
正代「大関の名に恥じぬよう、至誠一貫の精神で相撲道にまい進して参ります」


こうして見ていると口上も様々で、「努力します」や「精進します」といった
シンプルなものがある一方で、四字熟語を使ったものも目立ちますね。
貴ノ花が「不撓不屈」を使ったことをきっかけに四字熟語を使う力士が
増えてきたとも言われますが。貴ノ花の「不撓不屈」、琴光喜の「力戦奮闘」、
琴奨菊の「万里一空」が印象的ですね。特に日馬富士の「全身全霊」は、
その相撲を体現していたように思えます。

あと、武蔵丸の「日本の心を持って」や豪栄道の「大和魂」、貴景勝の
「武士道精神」がなかなか良かったですね。武蔵丸は、日本に溶け込もうと
している感じがうかがえますし、豪栄道や貴景勝は力強さがあってよいですね。

今後も大関は出てくると思いますが、今後、どのような口上を述べるのか
そのあたりも楽しみです。
write:2020/12/30 rewrite:- update:2021/01/04


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