1.歴代ローマ教皇に寄せて
 僕がカトリックに入信するきっかけとなったものの1つに歴代の
ローマ教皇の存在があります。元々歴史が大好きで色々な本を
読んできたのですが大変興味深かった本の1つに創元社から発売している
「ローマ教皇歴代誌」があります。この本が大変面白く、それからも
三交社が発売した「ローマ教皇事典」などさまざまな本を読むように
なりました。「ローマ教皇歴代誌」と「ローマ教皇事典」は今でも
読み返しているくらいお気に入りの本です。

 歴代の教皇といえば、インノケンティウス3世やグレゴリウス7世といった
有名な教皇も印象に残ったのですが、特に16世紀から18世紀あたりの
教皇の世俗的権威が衰退していく中で教皇としての存在意義を模索したり
教皇庁の立て直しをしていく時代が印象的で、インノケンティウス11世や
クレメンス12世が、また6世紀のグレゴリウス1世が印象に残りました。

 インノケンティウス11世は、教会の改革と教皇権の防衛を熱心に行った
教皇でフランスにおける教皇権の縮小を図る政策に異議を唱えたり
フランスのプロテスタントの容認令を廃止を知るとプロテスタントの信徒を
守るために反対をするなど、カトリック教会を良くするために、そして
プロテスタントも同じキリスト教徒として擁護しようとしたことが
素晴らしいと思いましたし、クレメンス12世は、9年程在位した教皇ですが、
在位3年目で失明をしながらも、それにもめげずに教皇庁の財政を
立て直すなど積極的な行動を取ったのが素晴らしいと思いました。
クレメンス12世の存在は自分にとっても励みになりました。

 そして、グレゴリウス1世ですが、ローマの市民を異民族から守り、
貧者や避難民に対して保護や多額の施しを行った慈悲深さ、戒律も守り
祈りや修得を熱心に行った敬虔さ、イギリスへの布教や人々の信仰を
高めるために850通以上もの手紙をしたためるなど教会の発展のために
力を尽くした精力さが素晴らしいと思いました。僕の洗礼名も
そのような教皇に因んで「大グレゴリオ」にしました。

 ローマ教皇と言えば、聖ペトロからはじまり、キリスト教の弾圧や
有力な貴族によって廃位されたりするなど苦難の時代も続きましたが
それにも負けず、教皇の権威を高める努力をしてきたこと、
そして、教皇権が衰退した時も最終的には牧者としての面を強調することで
その時代の変化に対応し、現在のベネディクト16世まで2000年間、
教皇職を継いできたことは歴代の教皇の絶え間ない努力があってこそ
だと思いますし、そこに神様の働きもあったと思いますので
本当に素晴らしいことだと思います。

そして、僕自身も歴代教皇に興味を持ったことと、
聖書を通して色々と学びたいという思いから
カトリック教会に通うようになり、洗礼も受けました。
まさに歴代教皇を味わうことが、後に聖書、福音書を、カトリックを
味わうきっかけになりました。このようにして歴代教皇を通して
頂いた神様からの恵みを大切にしていきたいと思いますし、
現在の教皇ベネディクト16世には、全世界の教会がより良いものへと
導いていけるよう祈りたいと思います。
write:2013/02/09 rewrite:- update:2015/09/12


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