Mirlard!(ミルラード!)
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STORY

 

第11話 教皇への使節派遣 おまけ
マザラン枢機卿、ヴェルサージュ王国の宰相であり、枢機卿だったが、
ヴェルサージュ王国の混乱に乗じて国の一部を自分の領土として占領し、
教皇として、エウゲニウス13世を名乗る(対立教皇となる)が、ロアや教皇軍、
ヴェルサージュ王国の軍隊の連合軍によって逮捕され、現在は、牢獄に
閉じ込められている。そんなマザランだが、牢獄の中では大暴れしていた。
牢獄の檻を叩いたりゆすったりしながら、大声で暴言を吐いていた。
「早くここから出せ!!」
「教皇をこんな所に閉じ込めるなんて無礼だ!!」
などと叫んだり、教皇インノケンティウス15世の悪口を怒鳴り散らしたり
していた。そして、その声や音は、牢獄の中にいる他の囚人も相当
迷惑しており、看守に苦情を言う者が後を絶たなかった。そんな報告が、
教皇インノケンティウス15世にも届いていた。
「しょうがないやつだな…。大人しくしていれば、どこかの国の大司教
ぐらいにはしてやろうかと思ったが、仕方ないな…。」
と言って、一つの命令書を書き、
「ただちにこれを実行してくれ。」
と、看守に命令した。それは、残酷な命令だった。マザランの手足を切断する
というものであった。それは、これまでの何人かの対立教皇に対して行われた
処罰であった。

そして、何人かの屈強な戦士と共に看守がマザランの牢獄にやって来て、
牢獄の扉を開けた。それと共に、屈強な戦士2人がマザランの両手を取って
取り押さえた。
「な、何だ!?何をするんだ!!」
看守が教皇の命令書を見せて、
「教皇様からの命令だ。これからお前の手足を切断することになった。」
「な、何だと…止めてくれ!!分かった。これからは大人しくするから
止めてくれ!!」
「今さら遅い。やれ。」
屈強な戦士がマザランの両手を広げるように押さえ、両足も押さえられた。
そして、両腕を、ひじから上のあたりで切断した。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
マザランのすさまじい叫び声が聞こえた。そして、大量の血が飛び散っていた。
さらに戦士は、マザランの体を押さえ、今度は足を膝から上のあたりを
切断した。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
また、マザランのすさまじい叫び声が聞こえ、大量の血が手足から流れ
出していた。それから、看守が、マザランの手足を運び出した。
「ああ、私の手足を持って行かないで!!」
そんな叫びも空しく、手足は運び出されてしまった。それから、全員牢獄から
出て、扉に鍵をかけられた。それから、牢獄の外から魔法使いが、マザランに
止血の魔法をかけた。たちまち、マザランの手足から流れ出た血が止まった。
ここの牢獄は、牢獄の外からでないと魔法が効かなかった。
「あれ、血が止まってる…。」
それから、全員が牢獄から出ていった。
「私の手足を戻してくれ!!」
そんな叫びも空しく、全員が牢獄から出ていった。それからのマザランは、
大人しくなったが、ずっと涙にくれる日々が続いていた。そして、マザランの
手足は、見せしめとして、街道でさらされることとなった。

それから、約2ヶ月後、再び、教皇からの命令書が届いた。次は、マザランを
ロムルグランス帝国の首都の街中にある修道院に死ぬまで軟禁となった。
数日後、マザランは牢獄から、受け入れ先の修道院へと身柄を移されることと
なった。

ロムルグランス帝国の首都の街中にある修道院、そこの奥にある一室に
マザランは軟禁されることとなった。この部屋には、椅子とテーブルがあり、
たくさんの宗教や教理に関する本が本棚に並べられていた。
そしてマザランは、そこの椅子に置かれることとなった。この部屋は、魔法は
ほんの少ししか効かず、本や、食事のためのスプーンやフォークなどの小さく
軽い物だったら動かすことはできるが、大きい物や重たい物は動かすことが
できなかった。もちろん、魔法で自分自身を持ち上げることなどできるはずが
なかった。そして、鍵のかかった扉を壊すこともできなければ、鍵を取ること
もできなかった。こうして、街のざわめきや子供たちのはしゃぐ声がかすかに
聞こえる部屋の中で、マザランはただ、虚しく時を過ごした。
自分のしたことを悔いたり、昔のことを思い出したりして時を過ごすばかりで
あった。

それから、2年後、マザランは失意のうちに息を引き取った。
write:2020/07/24 rewrite:- update:2020/09/21