Mirlard!(ミルラード!)
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STORY

 

第9話 商人たちの愉快な?日常
8番街にある和風なお店「スカーレット・ガーネット」そこでは、ミルラード王国から
海を渡って西の方にある大和国から輸入した様々な品々が売られている店で
そこの商品は国王の御用達となっています。中には天皇の宸筆や将軍の直筆の
書なども売られていたりもします。そして、そのお店にはロアたちもよく
顔を出したりしています。そして、この日は、スカーレットの店長、
ガーネルドがロアたちをお茶会に招きました。ロアたちは茶室に招かれ、
席に正座して座っていました。茶室には茶道具がたくさん並べられていました。
「なかなか変わってるな。大和国ではこんな風にしてお茶を飲んでいるのか。
うちらとは大違いだな。」
レオンが話を切り出した。
「ええ、大和国ではこのような道具でお茶を飲んでいます。ま、これは少々
かしこまった作法で、茶道と呼ばれているものです。」
「そうなのか。しかし、ずっと正座は辛いな…。」
「これも作法だ。仕方がないよ。」
ロアが返した。
「いや、うちらには不慣れなものなので、辛かったら足を崩しても良いですよ」
そう言われると、ロア以外の全員が足を崩した。
そうしているうちにお茶ができ、ガーネルドはみんなにお茶の入った茶碗を
渡した。
「へーこんな大きな器でお茶を飲むんだ…。」
レオンが言うと、
「とても綺麗ですね。」
「良い香りがします。」
フィムとペティオスも話す。こうして、お茶を楽しんでいました。

「おおーーーーーーい!ガーネルドはいるか!!」
いきなり、商人の声がした。その商人は、チャールズと言って7番街で店を
開いている商人で主にミルラード王国の伝統工芸品を扱っている店でした。
この店も国王の御用達となっているため、ガーネルドとはライバルの関係
でした。
「はい、ただいま。」
こうして、ガーネルドは店の前にやってきてチャールズの前に姿を現した。
ロアたちもチャールズの前に姿を見せた。
「しかし、相変わらずの外国かぶれだな。お前は。その服と言い。」
ガーネルドの服装は、頭髪は赤い色で鮮やかな深紅色の和服を身に着けていた。
下は、少々派手な袴を身に着けていた。また、和服の背中には鳳凰が
あしらわれていた。まさに派手な和服であった。チャールズは、こう言って
ガーネルドにケチを付け、続いて、店に置いてある商品にケチを付けだした。
そんなチャールズを見てロアは言った。
「あなたは何なんですか?人を呼んでおいていきなりケチをつけて。」
そこはガーネルドが間に入って、
「まあまあ。チャールズとはいつもこんな感じなんだよ。いつものように
うちの商品にケチをつけてくるね。ま、チャールズの場合、ミルラードの
伝統が気に入っているみたいだから。僕もミルラードの伝統は悪くないと
思うけどね。」
「そうだろう、ミルラードの伝統は良いものだろう。最高のものなんだよ。」
「ところで、何か用だったの?」
「おう、そうだった!!明後日に商人たちの会合があるから知らせに来たんだ。
出てくれよな。」
「おお、そうなのか。これは連絡ありがとう。」
そして、ガーネルドは、回覧板をチャールズから受け取った。
それから、チャールズは、
「今夜は俺は宴会をやるぜ!!お前らとは桁違いのものをな!!楽しみだぜ」
と、高笑いしながら帰っていった。
「…しょうがないなぁ…。ちょっくらあいつの宴会を邪魔してやるか。」
ガーネルドは少々あきれ気味だった。
「そこでみんなもちょっと協力してくれないか?」
「ああ、分かった。」

その夜、ガーネルドとロアたちはチャールズの家の屋根に登っていた。
そこからは庭が見えて、チャールズたちの宴会の楽しそうな声もよく
響いていた。まさに宴会は盛り上がっていた。
「さてと、ちょっとトイレにでも行ってくるか。」
そして、用を足しに席を外したのだが、手を洗おうとした時、異変に
気づいた。
「あれ、なんか水が白く濁っているな。」
そこで、チャールズの身内の者がやってきて、
「旦那様、なぜか水が白くなっています。しかも、この水、良いにおいを
しています。」
「なに?」
チャールズは水のにおいをかいだ。
「確かに良い香りだ。」
そして舐めてみると、それは美味しい味がした。日本酒の味である。
「ん?なんか美味しいぞ。お酒の味だ。」
「本当ですか?」
チャールズの身内の者もその水を飲んだ。
「本当だ、これはおいしい水です!!」
「どういうことだ??」
不思議に思いながら、席に戻っていった。

しばらくすると、今度はたくさんの高価な肉が天井から降りてきた。
「旦那様、これは旦那様の演出で?」
「い、いや知らん。なんでこんな所から肉が??」
「この肉もおいしいです!!極上の肉ですよ!!」
そして、さらに庭に金貨がばらまかれた。これには、チャールズの身内の
者たちも舞い上がって、一斉に庭の金貨を拾い集めた。続いて、
チャールズも庭に降りて金貨を拾い集めた。こうしてばらまかれ続ける
金貨をみんなで拾い続けた。そして、ふと後ろを振り返り、屋根を
見上げると、ガーネルドたちの姿があった。
「こらっ!!貴様ら何をしている!!」
ガーネルドやロアたちは大笑いしながら金貨をばらまき続けた。
「この金貨は貴様らの仕業か!!」
続いてレオンが、大声で
「水道は俺とローランでお酒が出るように改造しておいたから!!」
続いてローランが言う
「水道からお酒なんて本当に贅沢ね。」
「馬鹿言うな!!人んちの水道を壊しやがって!!」
さらにフィムがたくさんの肉を魔法で下に降ろしていた。
「肉もお前たちだったのか!!」
そしてフィムは、大声で言う。
「本当に凄い宴会ですね。まさに酒池肉林で。」
「何が、酒池肉林だ!!馬鹿野郎!!宴会の邪魔しやがって!!」
これを見てチャールズは激怒していた。さらにペティオスが、
「これもあげるね。」
と言って、自分の頭髪の蛇を切ってチャールズに投げつけた。
「わぁぁぁぁぁぁ!!蛇を投げるな!!貴様ら!!今すぐに出て行け!!」
そして、最後にロアが、
「それでは、どうぞ臭い飯を楽しんでください!!」
そう言ってチャールズの家を後にした。
「くそっ!!貴様ら覚えていろよ!!」

数日後、街にある修道院の前をガーネルドとロアたちが通っていると、
目の前にチャールズが立っていた。
「おう、ガーネルドじゃねぇか。俺はいまさっき、この修道院に
1000万ウェルスのお金を寄付したんだよ。」
と自慢げに語っていた。
「ああ、そうでしたか。それは凄いです。」
ガーネルドは、語り、
「それでは…。」
と言ってこの場を離れた。
これを見て、チャールズは高笑いした。
「がははははははははははは。さすがのガーネルドもこれには観念した
ようだな。ああ、良いことをした後はいい気分だ。」
それから、1時間後、ガーネルドとロアたちが再び修道院にやって来て
大金を寄付してきた。これには修道士やシスターたちも驚いていた。
さらにガーネルドは、年老いたシスターに手紙を渡していた。
その手紙をシスターとチャールズは読んでいた。そこには、
「わずか2000万ウェルスのお金を寄付します。」
と書いてあった。
これを見て悔しがったのはチャールズだった。
「くそっ、だったら俺は3000万ウェルスを寄付してやる!!今すぐ金を
持ってこい!!」
そのようにチャールズは従者に命じたが、年老いたシスターは、
「もう張り合うのはお止めになって下さい。私たちはそんなにお金に
困っていませんよ。」
と言って、チャールズを引き留めた。さらに、
「このお金は貧しい人たちや飢えに苦しんでいる人たちのために使わせて
頂きます。ですが、あなたたちの寄付の仕方は本当は良くないものなの
ですよ。人に見せるために良いことをしても、それは神様には喜ばれないの
ですよ。寄付というのは、金額の大きさではなく、どれだけその人たちの
ために心を込めたのか。それが大切なのですよ。」
このようにガーネルドとチャールズに諭したのであった。
これを聞いて、ロアは、
「へええ、なかなか良いこと言うじゃないか。その通りだな。」
チャールズも、
「確かにその通りだ。神様に喜ばれるように心を込めてやらないと
いけないのだな。」
ガーネルドも、
「そうだね、僕たちはその点を忘れていた。本当に反省だね。」
と、2人は反省の弁を述べていた。そして、ガーネルドは、
「これからも張り合うかもしれないけど、また仲良くやっていこうや。
これからもよろしく。」
「そうだな。こちらこそ。俺もまだまだお前には負けないぞ。」
こうして、ガーネルドとロアたち、チャールズは修道院を後にした。
そして、ガーネルドやチャールズが寄付したお金は全て、修道院によって
貧しい人たちや飢えに苦しんでいる人たちのために使われた。
write:2016/12/18 rewrite:- update:2017/01/03