Mirlard!(ミルラード!)
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STORY

 

第2話 グリュックへの道
ミルラード王国の首都「グリュック」より遠く北西に進んだ所に
「ウォルマーニャ」の町があります。このウォルマーニャの町の領主、
ランディーニ家に仕える剣士の家系、シュタイナー家にロアは生まれ、
育ちました。そして、これは今から5年前、ロアがまだウォルマーニャの町に
住んでいた頃の話です。

ウォルマーニャの町は山に囲まれた静かな町で、ここでは、貴族、騎士、
剣士、兵士ともにとりわけ騎士道精神を重んじた町でした。
そのため、特に品行方正を多く求められる町でもありました。
そんな町にロアは住んでいたのですが、そのような騎士道精神が面倒だと
感じていたロアにとっては少々息苦しく、よくいたずらをしたり
トラブルを起こしては、父親のホーキングに怒られたりしていました。

そんなある日、ロアは街中でゴブリン族の親友で剣士のキュイと人間の
傾き者のローフェイと一緒に過ごしていました。この日は、3人で
剣の稽古をしていました。ロアとキュイが闘っている時ですが、
剣の腕はほぼ互角だったのですが、キュイがロアの剣を受け止めた後、
得意のゴブリンパンチをロアに浴びせました。
「いやぁ、まさかあそこでパンチが来るとは思わなかったよ…。」
「まあ、闘いの時はこれもありかな…と。」
そこで、ローフェイは2人にアドバイスをする。
「キュイは、剣とパンチの使い分けをもっと早くやった方が良いな。
あと、ロアは、ゴブリンパンチを上手くよけられるようにならないとな。」
そんな感じで、お互いに切磋琢磨している中でもありました。
時には、3人でいたずらをしたり、バーでお酒を飲んだりもしていました。

数日後、その話を耳にした父親のホーキングは、ロアを呼び出しました。
「ロア、いつも言ってるだろう。品行方正が大事だと。あのような、
ゴブリンや傾き者といったならず者たちと付き合いをするんじゃない。」
「何で、ゴブリンや傾き者と付き合っちゃいけないわけ??キュイとは
本当に気が合うし、ローフェイとも付き合ってて楽しいんだけど…。」
「楽しいだけじゃダメなんだ。日頃から節度を守って礼儀正しく
しないとダメなんだよ。」
「別に良いじゃん。オレにはそういうのはできないしな…。」
「何を言うか!!もう少し騎士らしく品行方正な人間やエルフ、
そして同年代の者と付き合うんだ。いいな!!」
「はいはい。」

ところが数ヶ月後、今度は騎士とトラブルを起こしました。道を歩いていると
町人がロアの前を歩いてきたので、道を開けようとよけた所、騎士の
アルベルトとぶつかってしまいました。
「あっ、すんません。」
「おい、騎士様にいきなりぶつかってくるとはどういうつもりだ!!??
剣士ふぜいが無礼であろう!!」
「だから謝ってるじゃん。すんませんって。」
「許して欲しかったら俺の靴を舐めて股の下をくぐりな。」
「誰がやるかよ。そんな韓信みたいなことはできないなぁ。」
「なんだと、この私に因縁を付けるのか?」
「おう、やってやるよ。」
そして、2人は取っ組み合いのけんかになりました。そこで近くのお店も
巻き添えにして、ロアはアルベルトをボコボコに殴り、道端に立っている
近くの柱に縛り付けて顔に「このアホにエサを与えないでください」の
張り紙をしておきました。アルベルトは「助けてくれ…」と呻いていました。

そして数日後、アルベルトの親族からホーキングに苦情が来て、またロアは
ホーキングに呼び出されました。
「ロア、騎士様に暴行を働くとは何事か!!」
「だって、あっちから因縁つけてきたんだぜ。こっちだってやってやらないと
気が済まないよ。」
「しかも、柱に縛り付けるとは、騎士様に対して失礼だぞ!!」
「はぁ…。」
「今後は騎士様に失礼の内容にな。」
「はーい。」

さらに1ヶ月後、今度は、ロアは近くのバーで飲み過ぎて泥酔し、
近くの道路でうたた寝をしてしまいました。そして、そのことは町中に
知れ渡り、ホーキングの耳にも入りました。そしてロアはまた呼び出され、
怒られました。

そんなある日、キュイと2人で川の土手で話をしていました。
そこで、ロアはキュイにこれまでの愚痴を話しました。そしてため息交じりに
「もう、ランディーニ家もこの町も親父も本当に窮屈なんだよな。
事あるごとに品行方正、だの騎士道だのって。嫌になっちゃうよ。」
「大変だったな。ロアはこの町には合わないのかもな。」
「ああ、そんな気がする。もうここを出るよ。」
「そっか。で、どこへ行くんだい?」
「首都のグリュックへ行くよ。ここなら良くしてくれた人たちも
たくさんいるしね。」
「実は、僕もこの町を出ようと思うんだ。」
「えっ!!そうなの??」
「うん、僕のこの町は合わないと思う。そこで、同じ種族たちもたくさんいる
モンストラスに行こうと思うんだ。そこなら気楽に暮らせそうな気がするんだ。」
「そっか。お互い離れてしまうけど。仲良くして行こうな。」
「うん。」

そして翌日、ロアはホーキングと騎士道の話から親子喧嘩になっていました。
そして、ついにぶち切れたロアはこう言いました。
「何だよ!!いつもいつも騎士道、騎士道って。そんなに騎士道って
偉いのかよ!!こんな息苦しいこともうやってられないよ!!それにあんたの
言ってることは騎士道でもなんでもない!!ただの人種差別だよ!!
この馬鹿親父!!」
「何だと、貴様親に向かってその言い方は何だ!!」
「もうこんな家出て言ってやるよ!!もううんざりだ!!」
「分かった、もういい!!おまえなんか出ていけ!!ただし、ランディーニ様
には挨拶をしていくんだぞ!!いいな!!」
「分かったよ!!」
こう言ってロアは部屋に戻り、荷物の整理を始めました。

数日後、領主のランディーニ家の城に行き、お別れの挨拶をしていきました。
そこで、ロアは領主のマルクス=ランディーニにお別れの贈り物をしました。
「おお、贈り物とは気がきくな。中身を見させてもらうぞ。」
箱の中を開けると中には大量のゴキブリが入っていました。
そして、ゴキブリ達ははこの中から出てきては床やマルクス、ホーキングを
はじめ、周りの人たちの体をはいずり回ったり飛び回ったりしていました。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ゴキブリがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
城の中は大騒ぎ、ロアは高笑いをして言いました。
「ははははははは。前々からあんたたちのことが気に食わなかったんだ。
お前たちへの贈り物はこれで充分だ!!じゃあな!!」
そして、ロアは城を出ていきました。そんな姿を見てホーキングが叫ぶ。
「この痴れ者が!!バカ息子が!!」

こうして、ウォルマーニャを後にしたロアは、グリュックに向けて
引越しをしました。そして、グリュックに着いてからは、以前にお世話に
なった貴族のベルナルドを頼って行きました。ベルナルドは、仕事や就職先を
あっせんしているギルドマスターでもあり、ロアはベルナルドに自分が住む
アパートも世話をしてもらいました。そして、就職先は、この国の
剣士として国王に仕えるため、当時の国王ニーズロット6世を
紹介してくれました。そして、国王に謁見しました。
「ロアよ話は聞いておるぞ。ウォルマーニャでは色々と騒動を起こしてきた
そうだな」
「はぁ、まぁ、恥ずかしながら…。」
「まあそのぐらい元気なのが剣士としてはちょうど良いくらいだ。」
「はい、そう言って頂けると嬉しいです。」
「ロアにとっては、ウォルマーニャは息苦しかったのかもしれないな。
確かに、あそこは騎士道精神を守る風潮が特に強い場所だからな。」
「そう…ですね…。」
「これからは、この町で伸び伸びとやるが良い。まあ、騒動はほどほどにな。」
「はい、ありがとうございます。」
「そして、これからは、私に仕えてくれるか。」
「はい、喜んで。」
こうして、ロアは、ベルナルドの斡旋で国王に直接仕えることになりました。
write:2013/11/09 rewrite:− update:2013/11/10