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STORY

 

第6章 エルフィリア王国の内乱
自然あふれる森がそばにあり、川もそばにあり、住民の大半はエルフの国、
エルフィリア王国の城下町「エルフィリア」。その国はエルフの王、
エルフィール13世という暴君が統治していました。
その王様ですが、家臣や側近を自分の意見に反対した、または気に食わない
という理由で残虐な処刑を行っており、またエルフィリアより東の町の
住民を虐殺したこともあります。また、自分は力の神の化身だと公言し、
剣闘士の大会に自ら出場したり、怪物と闘ったりして住民のひんしゅくを
買っておりました。

エルフィリアの町には王国お抱えの武器商人「ルーン」が住んでいました。
ルーンが扱っている武器は性能が良いので兵士たちもよく武器を買いに
来ていました。そして、時々国王のそばにいて王の機嫌を取ったり、
また自分の店で商売をして過ごしていました。

そんなある日、ルーンは国王から呼ばれてお城に行きました。「面白い
ものを見せる。」というので処刑場に連れて行かれると驚くべき光景が
ありました。なんと、処刑されるのはルーンの友人である探検家の
ズィーラとリーナスでした。それを見たルーンは驚きました。
「なぜあの2人が処刑されるのですか!?中止にして下さい。」
「わしに対して反逆した。他の国のスパイかもしれん。」
「そんなことないと思います。何かの間違いだと思います。もう少し
御調べ下さい。」
さすがにこの時はルーンも国王に反論しました。だが、
「これ以上言うとお前も処刑するぞ!!」と言いました。
さすがに自分も処刑はされたくないのでしぶしぶ反論をやめて、その場で
処刑を見ていました。その時、リーナスは処刑台から抜け出し、
武器庫の屋根に登って抵抗しましたが、足を滑らせて転落死しました。
その後、国王は処刑を命じ、ズィーラの首をはねて処刑しました。
それから、数ヶ月間、国王に恨みを抱きつつそれを表に出そうともせずに
いつものように商売をして過ごしました。

数ヶ月後、いつものように自分の店で仕事をしていたら、店にやってきた
兵士たちの不満が聞こえてきました。そのようなことがたびたびあったので
ルーンは、「どうされましたか?」と兵士たちの不満を聞いてみました。
すると、兵士たちの給料を下げ、兵士たちの特権のいくつかを剥奪する
ということがあり、さらに国王の残虐さも手伝って兵士たちの鬱憤は
爆発寸前でした。それから、色々な兵士が訪れ、そのたびに彼らの不満を
聞いてやっていました。それからはルーンの店は不平不満を言う
兵士のたまり場となっていきました。

そんなある日、前国王「エレオナルド3世」の孫のサースロット王子が
お忍びでルーンの店にやってきてルーンと兵士たちを驚かせました。
サースロット王子は自分の領地の税金を少しですが安くしたり、貧しい人に
無料で食料やお金を与えるなどをしてきて住民から慕われていました。
その時、サースロット王子から、ルーンと兵士たちにクーデターの話を
しました。今のままではこの国はダメになるというのでこの国を
変えたいと思っていました。そこで、この計画を話し、兵士たちとルーンに
協力を仰ぎました。ルーンはしばらく悩みましたが、国王に友人を
殺された恨みもあって協力することにしました。それからは、
兵士たちにこっそりと武器などを支援したり、「クーデターに成功したら
謝礼金を払うよ。」と言って準備を着々と進めていました。

1ヶ月ほどたったある日、国王が馬に乗って町を凱旋するパレードが
ありました。その時に1人の兵士が国王に切りかかりました。
国王に守られた親衛隊がいたのでなかなか近づけませんでしたが、
それでもよく戦っていました。それから他の兵士が次々と加わり、
国王を暗殺するための暴動となりました。国王はあわてて城に
逃げ帰り、城門を閉めて体制を立て直そうとしました。
だが、城門は門番の裏切りによってあっさり開けられ、兵士たちが
城になだれ込んできました。大臣は国王に逃げるよう勧めましたが、
国王は逃げずに兵士たちと話し合おうとしました。
自分の威圧感と話で兵士たちを説得できると考えて。
そして、なだれ込んできた兵隊に話をしている最中に兵士の1人が
突進し、「兵隊からの贈り物はこの剣だ!!」と叫んで国王に剣を
突き刺しました。それから、他の兵士も次々に突進して国王に剣を
突き刺していきました。そして国王エルフィール13世は息絶えました。

その知らせを聞いたルーンは大いに喜び、クーデターに参加した
兵士たちに多額の謝礼金を払いました。サースロット王子もまた
兵士たちとルーンに多額の謝礼金を払いました。
こうして彼らは暴君が斃れたことを喜びましたが、これはまだ
混乱の序章にすぎませんでした。

国王エルフィール13世が殺された後の王家は混乱をきたしていました。
殺された国王の兄弟や息子たちが王位を争い合い、互いに毒殺などの
謀略をめぐらしたり、戦をしたりして互いに殺し合っていました。
そして、国王暗殺から1ヶ月後、国王の弟のアラム5世が即位しました。
だが、アラム5世は兵士たちに約束した下賜金を払おうとせず、
さらに暗殺に加わった兵士たちの隊長を処刑したため、
兵隊の支持を失っていました。そして、3ヶ月後、エルフィール13世の
息子「エルシャローム王子」が反乱をおこし、戦争になりました。
その戦争は城下町エルフィリアを巻き込んだ市街戦となりました。
そして、兵隊たちによる放火や略奪も行われ町は焼け野原となりました。
ルーンの店も少し略奪されたため、そしてここにいるのは危険だと
思ったため、郊外に避難しました。

こうして、エルシャローム王子はアラム5世を討ち取り、みずから即位して
「エルシャローム2世」と名乗りました。それもつかの間、
今度はエルシャローム2世の兄「フェアリオーネ」が「自分こそ王位に
付くべきだ。」とばかりに
反乱を起こし町の近くで対峙し、小競り合いの戦争が続いていました。
この混乱を見てルーンは罪悪感にさいなまれてしまいます。
そしてルーンは、その償いとばかりにサースロット王子とともに
被災した人々や貧しい人々に施しをしたりして多大な支援をしました。
その時にルーンは、サースロット王子にこう漏らしました。
「国王が憎くてクーデターを画策したが、こんなに町の人が
巻き込まれるなんて…本当にこれで良かったのだろうか…。」
「あの国王は斃されるべきだったんだよ。だからこれで良かった、
お前はよくやってるよ。」と言って慰めました。
「今は頑張って町の人を支援しよう。それがいま私たちができることだ。」
その言葉にルーンは勇気づけられ再び支援を続けることにしました。

しばらくして、エルシャローム2世の軍隊は戦場を離脱して
城に逃げ帰りました。そして、「王位に付いてもなにも良いことはなかった。
もうこんな争いはうんざりだ。」と言って喉に短剣を突き刺し、自殺しました。
わずか2ヶ月の在位でした。
そして、フェアリオーネが即位し、「フェアリオーネ10世」となりましたが
この王は快楽にふけるのが好きな王で住民の苦しみをよそに政治は
そっちのけで、連日饗宴を催し、国民の税金を上げ、兵士の給料も下げるなど
をしました。フェアリオーネ10世曰く、「私はようやくつかんだこの王位を
楽しもうではないか!!」

それから4ヶ月後、この状況に見かねたサースロット王子の父親で
「エレオナルド3世」の息子「アレクス王子」が立ち上がり、
「国民の救済」と「兵士の給料引き上げと下賜金の支払い」を掲げて
息子のサースロット王子と共に反乱を起こしました。そして、何度か戦争に
なった後、アレクス王子の軍隊が町の前まで迫ってきました。
そして、アレクス王子は「国民の救済のために力を貸して欲しい。」と
「私たちは必ず勝つから共に戦っていこう。」という演説をして
兵士の士気を高めていきました。そして、サースロット王子が演説を始めた時
兵士のなかから「あなたこそ王にふさわしい!!」という叫びが
聞こえてきました。それから、兵士たちは口々に「あなたこそ王だ!!」
「王になってくれ!!」「サースロット王万歳!!」という声が
あたり一面に響きました。困ったサースロット王子は父親と少し相談し、
兵士たちの前で「わが父を差し置いて私だけ王位に付くことはできない。
そこで、わが父アレクスも王位に付いて共同統治と言う形で国を治めたい。」
と言った。続いて、アレクス王子も「私も王位に付いて共同統治にするが
息子が中心になり、私はその支援をする。そして2ヶ月で退位する。」
と言った。その言葉を聞いて兵士たちは2人で大歓声を送った。

そして、フェアリオーネ10世との最後の戦いではルーンも参加し、
得意の短剣とナイフ投げで勇ましく戦った。そして、アレクス王子、
サースロット王子も勇ましく戦い、フェアリオーネ10世を討ち取り、
2人は即位して「アレクス3世」「サースロット4世」となった。
そして、2人は共同統治者として互いに手を取り合って国を治め、
国民の税金を下げ、今まで行ってきた支援を国の事業として行うことになった。
そして、兵士には下賜金を与え、給料も上げることになりました。
こうして、国は平和を取り戻し、ルーンも市街戦で焼けた店を立て直し、
再び商売を始めました。

2ヶ月後、アレクス3世が退位しました。その後も城に住み続け
息子である国王を支えていった。それから、ルーンはサースロット4世に
謁見し、「まさか私たちが王位に付くとは思わなかったが、これも
お前のおかげだ。感謝する。これからも国のお抱え商人としてこの国を
支えて欲しい」と語った。「もったいないお言葉でございます…。」
こう言ってルーンは涙に震えていました。その後、ルーンは町の
建て直しと支援も行いつつ商売に励んでいきました。
次第に町は活気を取り戻し、元のにぎわいが戻るようになりました。
こうして後に五賢王時代と呼ばれる時代の始まりとなりました。
write:2013/06/16 rewrite:- update:開設日